長い間、メンズサイズのデイトジャストは36mmだけという印象がありましたが、2009年、ついに大きなサイズが追加されました。
その際、通常のデイトジャストと区別するために、大きなほうには「II」という称号が与えられ、スポーツ系のように、デイトジャスト、デイデイトにも「ツー」が登場したわけです。
しかし、文字盤上には「II」の表記はなく、見た目も似ていたため、「II」の立ち位置はなんだか分かりづらい印象がありました。
そういったことのせいか、その後ロレックスはデイトジャストとデイデイトにおいて「II」を廃止。デイトジャスト36、41といったように、末尾にケースサイズを表記するというモデル名に変化したのです。
そういったモデルチェンジによって、デイトジャストには大きな影響があったと感じます。
それは何かというと、「頻繁なモデルチェンジによる世代把握の困難さ」です。
これまでデイトジャストは『5桁⇒6桁』といったように、数十年に一度というモデルチェンジだったため、世代変化が分かりやすかった傾向がありました。
それが2009年以降、「II」として116334が登場、その後デイトジャスト41に改められ126334へと変化。また、デイトジャスト36も116234から、126334に変化しました。
2009年までであれば、デイトジャストの変化は、5桁以降において「16234⇒116234」だったわけです。もちろん、16234世代にも16200などがありましたが、そのバージョンは「II」登場以降に縮小されたわけではありません。
そういったことから、デイトジャストの全体像を把握するのは困難になりつつあるといえます。
実際、世代ごとに相場が存在しますが、これまでは5桁世代だと16234だから大まかに40万円前後、6桁世代だと116234だから60万円前後ぐらいといった具合に把握できたのが、116334や126334のことも考慮しなければならないのです。116334は2009年に登場した「II」、126334は2017年登場の「デイトジャスト41」ですが、文章で書くだけでも複雑だと感じます。
そういったことから、2017年の登場からそれほど時間が経過していない126334の相場は、いったいどのような状況なのか把握していないという方もいるかもしれません。
実際、筆者は、デイトジャストの相場を把握する気になれず、あまり見ていなかったのですが、一度2009年以降の各世代を整理すると、意外と慣れてきて、やっと相場観がつかめるようになった次第です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年12月 の新品実勢価格(3社平均) |
2020年1月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトジャスト 黒文字盤バー 126334 |
新品 | 1年 1ヶ月 |
¥1,066,000 | ¥968,000 | -98,000 | 90.81% |
今回取り上げるのは、126334の黒文字盤バーインデックスですが、このモデルの新品実勢価格は約1年前の段階で約106万円(安い順の3社平均値)といった水準でした。
WGベゼルのデイトジャストの実勢価格が100万円以上というのは、かつての価格帯を考慮すると高いとも感じますが、今の中古相場を見る限り適正価格と評価されているように感じます。
大人気のスポーツ系のように、過去の新品実勢価格より現在中古のほうが高いといったことにはなっていないものの、約1年での「新品実勢価格⇒中古」の下落は9.8万円という水準。これは、デイトジャストのキャラクターや、先に述べたようなわかりづらさを考慮するとなかなか立派だと思うのです。