2001年頃、アクアノートなどに対抗したモデルとしてデビューしたアップストリーム。
このアップストリーム登場時まで、ピアジェは「ステンレスモデルを作らない」と宣言していたのですが、それを打ち破って登場したのがこのモデルであるわけです。
アクアノートといえば、ラバーベルト仕様という点がパテックフィリップらしくない意外な要素といえますが、このアップストリームにとってのステンレスは、ラバーベルトと同じぐらい意外な意味をもっていたわけです。
そういったことからも、このアップストリームは、それまでの重厚なピアジェを気軽に楽しむといった存在感だったわけであり、まさに雲上スポーツの醍醐味を味わえる1本だったといえるでしょう。
しかし、そんなアップストリームには今「雲上スポーツ」という印象はありません。
なぜかというと、それは中古相場を見れば分かるのですが、このモデルは現在約30万円という価格で購入可能だからです。
1年前の段階から、アップストリームは30万円台で購入可能でしたが、その際の水準は30万円台後半。それでも、アップストリームの成り立ちからすると「安い」と感じたわけですが、今に至ってはそれより9万円ほど下落している様子となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年1月 の安値(楽天) |
2020年1月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
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ピアジェ
アップストリーム GOA26007 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥398,000 | ¥303,600 | -94,400 | 76.28% |
アップストリームには、このクロノグラフモデルと3針モデルがありますが、クロノグラフがクォーツ、3針が自動巻というラインナップとなっています。
どちらもピアジェの自社製ムーブメントが搭載されているのですが、近年では3針のほうがクロノグラフよりだいぶ高いという傾向となっています。
筆者としては、このクォーツクロノグラフがなかなか好きなのですが、なぜかというと、秒針が無いからです。
クォーツといえば、ステップ秒針の動きが時計ファンとしては違和感を持つかもしれません。
しかし、このアップストリームのクロノグラフには秒針がないため、クォーツ特有の動きがあまり気にならないわけです。
雲上スポーツには、かつてクォーツモデルが用意されていましたが、それらはメンズサイズでも、ミディアムかそれより1つ小さいといったように、主流なモデルという位置づけとは感じません。
しかし、アップストリームクロノグラフは3針と同じ土俵のキャラクターとなっており、主流モデルとしてクォーツが採用されているのです。
そのようなキャラクターを持ちながら、クォーツならではの手軽さがあるというのが、このアップストリームの特徴だと思うのですが、今の時代において30万円程度で購入可能というのは驚きです。