クロノグラフという要素は人気アイテムとなりやすく、高値傾向となることが珍しくありません。
その代表例といえるのがデイトナですが、20年ほど前から、プレミア価格の代名詞的存在というポジションをキープし続けています。
ノーチラスは、1976年のデビューから長らく3針のみの展開となっていましたが、2006年に初めてクロノグラフがラインナップされました。30周年のタイミングでデビューしたクロノグラフこそ、この5980/1Aですが、自社開発した独特な見た目のクロノグラフがもたらす雲上らしさ、及びノーチラスとクロノグラフという人気要素の組み合わせによって、近代の派手な動きをする代表的存在感となっています。
そのクロノグラフノーチラスの中でも、特に目立った値動きをするのが、2010年に「新色」として投入された5980/1A-014なのですが、これまでに記事でお伝えした値動きは、毎回凄い上昇という内容でした。
最初に5980/1A-014をお伝えしたのは2016年7月のことですが、その際は538万円という水準。今の基準からすると「かなり安い」と感じますが、当時の印象としては、ステンレスモデルの高値更新といった印象があったともいえます。
次にお伝えした2017年12月の段階では、698万円へと変化。2016年⇒2017年で160万円の上昇となったのです。
その次は2018年4月だったのですが、そのような短期間でなぜ2度も記事化したかというと、大幅な動きとなっていたからです。2018年4月に5980/1A-014は878万円となっていたのですが、これは4ヶ月で180万円の上昇だったのです。
そして、その次が2019年6月のことだったのですが、なぜそんなに期間が空いたかというと、この「-014」の中古が出現しなくなったからです。
2019年の始めから5980/1Aの値動きの活発さは目立っていましたが、「-014」はありませんでした。やっと出現したのは6月になってからのことでしたが、その際なんと1480万円という水準にまで上昇したわけです。
これは2018年4月と比較して602万円という上昇額。もはや上昇額自体が2016年7月水準を超えてしまっていたのです。
このように、記事では2016年から5980/1A-014を追ってきたわけですが、2016年から2019年にかけてずいぶん派手な上昇となっていたことが分かります。
しかし今、そんな5980/1A-014は値下がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年6月 の安値(楽天) |
2020年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 5980/1A-014 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥14,800,000 | ¥12,310,000 | -2,490,000 | 83.18% |
これまで下落傾向をお伝えすることがなかったため、これが初めての値下がり記事なのですが、現在水準はどうなっているかというと1231万円という状況。
相変わらず1000万円という水準は大幅に超えている様子であるため、値下がりとはいえ2016年以降、2番目に高い水準なのですが、その値下がり額は249万円という水準であるため、派手に下落したという印象にもなります。