2000年代の常識では、“ホワイトゴールドが高く、イエローゴールドは安い”といったことがありました。
しかし、2017年頃からはYGがWG水準に近くなり、最近ではWGよりYGのほうが高いということも珍しくなくなりました。
そういった現象は、デイトナでも見られるのですが、特に2000年デビュー世代のブレスレットモデルにおいてよくあるといえます。
現在、YGの116528は300万円以上といった水準なのですが、WGの116509は200万円台で購入可能。WGよりYGのほうが高いのです。
ここで気になるのが116528の300万円以上という水準ですが、これまでの価格変遷を見ると1つ上の段階になったと感じるといえます。
実際、記事でお伝えした価格としては過去最高値。これまでも116528は目立った上昇といった印象がありましたが、300万円台という水準はインパクトがあると思います。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値(楽天) |
2020年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 黒・シャンパン文字盤 116528 |
中古 | 1年 4ヶ月 |
¥2,859,840 | ¥3,308,100 | 448,260 | 115.67% |
前回の記事で紹介した116528は、黒・シャンパン文字盤ですが、この文字盤の現在ボトム価格は約330万円という水準。これは、2018年10月と比べて約44万円の上昇です。
ちなみに、116528全体のボトム価格は黒文字盤の300万円という水準ですが、いずれにしても116528は300万円台という水準に達しているのです。
黒・シャンパン文字盤の116528は、2009年12月において約165万円でしたが、2016年8月には215万円という水準になっていました。
その後は、2017年9月に257万円、2018年10月に約285万円となっています。
そして、今回約330万円となったわけですが、2016年以降、1年ごとに数十万円単位の上昇となっている傾向があるといえます。
さて、これまでYGといえばあまり目立った動きをせず、高級モデルながらお得感が強いという印象がありました。
しかし、今となっては、YGはしっかり値動きする存在かつ、WGより高い価格帯に位置。かつてとは、ずいぶんキャラクター性が変わったといえます。
そのような傾向となった原因として考えられるのは、中国人需要の拡大だと推測できます。
これは、筆者個人的な見解ですが、時計店で中国語を話す方の腕には、YGの腕時計が多いと感じ、中国の方はYGが好きなのだと思います。
ただ、中国人需要は10年ほど前から大いにあると感じますが、なぜ2018年頃からYG相場が上昇したのでしょう。
その答えとして考えられるのが、中国人が中古に目をむけるようになったという点です。
「中古を買う」という消費行動は、腕時計に詳しくなったほうが増えるということがあるといえますが、2018年頃が中国人時計ファンにとって、中古に目覚めるターニングポイントだったのかもしれません。