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現在相場考察

2015年以上の水準に到達、スピードマスター3573.50

2020年4月5日更新
オメガのスピードマスター3573.50について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年4月の安値(楽天)と2020年4月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この2年0ヶ月での変動は¥31,800だった。

スピードマスター 3573.50についての考察(2020年4月)

スピードマスタープロフェッショナルといえば、「ムーンウォッチ」が有名ですが、そのムーンウォッチにもいくつかのバリエーションがあります。

本来、ムーンウォッチは「宇宙空間での使用」ということから、

  • 手巻き
  • プラスチック風貌
  • が基本なのですが、それを実現させるためには「裏スケ」という要素は捨てなければなりません。

    けれども、「裏スケ」は人気要素ですから、ユーザーからの需要もそれなりにあることでしょう。そこで、オメガはそのような期待に答えるかのように、ムーンウォッチの裏スケバージョンを出したのです。

    その際出したのは、3572.50なのですが、ムーンウォッチそのままに裏スケ化したといったモデル。当然、裏蓋をスケルトンにするわけですから、そこにはガラス的なものが必要になるわけですが、強度の問題からプラスティックを採用するわけにはいきません。

    ですから、3572.50は表はプラスティック風貌、裏蓋にはサファイアクリスタルという仕様となったのです。

    ただそれでは、なんだか矛盾しているかのようにも感じたのでしょう。そのためか、ムーンウォッチの裏スケ版に3573.50が登場したのです。

    このモデルこそ、表も裏もサファイアクリスタルというモデル。サファイアクリスタルは宇宙空間には不向きですから、思い切った仕様といえます。

    では、そんな3573.50は中古市場ではどのような評価となっているかというと、ここ数年の様子は値上がり傾向。ムーンウォッチ3570.50と比べると、5万円程度高いといった価格帯に位置するといえます。

    実際、2018年4月の水準は34万円だったのですが、その際3570.5028万円前後といったところ。ですから、6万円ほどの価格差があったわけです。

    しかし、2020年の今、そういった差は広がりつつあるといえます。

    なぜなら、現在3573.50の中古水準が30万円台後半となっているからです。また、3570.50との価格差も8万円程度になっているのです。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2018年4月
    の安値(楽天)
    2020年4月
    の安値(楽天)
    変動額 残価率
    オメガ
    スピードマスター
    3573.50
    中古 2年
    0ヶ月
    ¥340,000 ¥371,800 31,800 109.35%

    この3573.50は、2015年5月に約33万円、2016年8月に約28万円、2018年4月に34万円という値動きとなっていました。

    2015年時点で30万円台前半という水準だったのが、2016年に値下がりし、2018年に復活。そして、今回やっと2015年以上の水準に到達したわけです。

    ムーンウォッチの中古相場といえば、3570.50以降世代については、この裏スケモデルを含めても35万円以下という印象がありました。

    それが、この3573.50は、現在約37万円という水準。ついに30万円台後半になったわけで、一歩前進したというように感じます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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