腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

最廉価商品にも金のラインが存在、ブルガリ「ソロテンポ」

2016年6月23日更新
ブルガリのST35Gについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2012年8月の安値(ヤフオク)と2016年6月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この3年10ヶ月での変動は¥48,024だった。

ソロテンポ K18YG 革ベルト ST35Gについての考察(2016年6月)

ソロテンポという時計がデビューしたのはアルミニウムとほぼ同じ時期の1997年です。この頃ブルガリは、ドレス系の廉価版としてソロテンポ、スポーツ系の廉価版としてアルミニウムという方向性を考えていたのかもしれません。

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2012年8月
の安値(ヤフオク)
2016年6月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ブルガリ
ソロテンポ
K18YG
革ベルト
ST35G
中古 3年
10ヶ月
¥90,000 ¥138,024 48,024 153.36%

1998年当時のブルガリのカタログ(イタリア仕様)を見ると、一番最初に出てくるのがソロテンポで次がアルミニウムという内容です。

そのため、先のようにソロテンポ=ドレス系廉価版アルミニウム=スポーツ系廉価版、という狙いだったのかなと予測したわけです。

ただ、アルミニウムのほうは、アリタリア航空の機体をアルミニウム仕様にするほど積極的な広告をしていたので、知名度やら時計の内容やら、世の中においてインパクトを与えた、という背比べにおいてソロテンポアルミニウムと比べることができない地味な時計です。

しかし、宝飾時計の意地なのか、ブルガリソロテンポという最廉価モデルにもちゃんと金無垢仕様を用意

オメガタグホイヤーなんて金無垢仕様を探すほうが難しいのに、シーマスターなどと価格的に実売価格が近いソロテンポに実は金無垢がある」というのは格の違いを魅せつけるには良いブランディング手法でしょう。

金無垢モデルを色んな意味で気軽に出せるは、宝飾ブランドの特権です。

コンビでもなんでも金無垢モデルって、時計メーカーだったらロレックス以上じゃないと難しいような気がします。

宝飾ブランドが金無垢モデルを出してくれるというのは、時計ファンにとっても良いことです。

なんてたって無垢モデルが手に入れられるのですから。

金無垢モデルが10万円台って、ロレックス考えられません。

なお、この時計、安い時では9万円と10万円を切っています。

そのため、金無垢モデルとしては非常に珍しく、程度が悪いモノが普通に流通している状況。

上記のモノもガラスに傷があるなど「難あり」という評価ですが、もうちょっと程度良い奴でも10万円台で売られています。

この時計、宝飾ブランド+金無垢という内容で最も安く買える時計でしょう。

ファッション的に金の時計が欲しくなった、という需要があるかどうかはわかりませんが、気軽に買える金の時計として覚えておきたい1本です。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。