腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

10万円台の高性能モデル、スクーバSD42S

2020年4月9日更新
ブルガリのスクーバSD42Sについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年8月の安値(楽天)と2020年4月の安値(ヤフーショッピング)を比較し現在相場を考察。この2年8ヶ月での変動は¥-18,002だった。

スクーバ SD42Sについての考察(2020年4月)

通常モデルでも高性能なのに、それを更に強力にしたというモデルが2000年代にいくつか登場しましたが、そのなかで最も有名なのが、シードゥエラーディープシーだといえるでしょう。

通常モデルのシードゥエラーが1220m防水なのに対して、ディープシーは3900m。その極端な性能差は、「見た目」面でもかなり分かりやすく表現されています。

そういったコンセプトを最初に提案したのは、おそらくパネライの64番でしょう。2000年に登場したPAM00064は、通常300m防水性能サブマーシブルに対し、1000m防水という性能を備えています。

ここで重要なのが、この特殊さがサブマーシブルといったモデルの延長上にあるという点。同じモデルでありながら、防水性能を強化したことにより「ボリュームアップ」となっているのが、いかにも特殊なモデルという印象で魅力的だといえます。

1000m以上の防水といった高性能なモデルは、IWCなどでも以前からあり、際立って珍しい性能とはいえません。けれども、「通常モデルの特別版」という演出は64番が最初だといえるのではないでしょうか。

そして、そういったことに影響されたと思われるモデルがいくつか登場しているのですが、このブルガリスクーバもその中の1つだといえるでしょう。

スクーバは、ブルガリの特殊防水性能モデルとして90年代頃からラインナップされていましたが、そのラインナップはシンプルでした。

用意されていたのは、3針かクロノグラフで、ストラップがラバーかブレスレット。素材がSSかYGといった選択肢だったわけです。いずれも防水性能は200mでした。

それが2000年代になるとGMT機能を有するモデルが投入されたりし、スクーバのラインナップはやや拡大。そして、このSD42Sのような超高性能防水性能を誇るモデルも登場したのです。

このモデルは、2000mという防水性能を誇っているのですが、これは通常モデルに対して10倍の性能です。

見た目は、パネライ64番やシードゥエラーと同様、通常版を超高性能化したといった感じで、“ケース拡大、クリスタル部分の比率は小さめ”といったところがそれらと同様だといえます。

さて、こういった通常版に対する超高性能版モデルは、なかなか評価される傾向がありますが、スクーバSD42Sの相場はどういったところかというと、意外に高くないという感じです。

現在、このSD42S約17万円で購入可能なのですが、これは2017年8月と比べても値下がり状態。2017年の記事でもキャラクターの割に安価と表現しましたが、そういった様子は現在でも変わりないどころか、さらに下落しているわけです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります
ブルガリ ディアゴノ プロフェッショナル スクーバ ステンレススチール ラバー 自動巻き メンズ 時計 SD42S 【中古】

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年8月
の安値(楽天)
2020年4月
の安値(ヤフーショッピング)
変動額 残価率
ブルガリ
スクーバ
SD42S
中古 2年
8ヶ月
¥198,000 ¥179,998 -18,002 90.91%

また、このSD42Sは通常版のスクーバと比べてお得感があるといえます。

現在、スクーバの通常モデルSD38Sのラバーベルトモデルは約13万円といったボトム価格(ABランク以上)なのですが、このモデルは2017年時点で約9万円という水準でした。

SD38Sは2017年と比べて上昇しているのに対し、SD42Sは2017年よりも安く購入可能であるわけです。

ですから、SD42Sには何かとお得感があるといえ、特に10万円台といった予算ではかなり気になる1本だといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。