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腕時計特集

コロナウィルスと時計相場市場について その4

2020年4月9日更新

こんにちは!

コミット銀座の金子でございます。

こちらのブログは私の個人的主観を含みますので、
読み物としてご覧いただければと思います。

また腕時計のご相談をいただく事が急増し、
お待たせしてしまい、ご迷惑をおかけしております。
ご来店前にお電話をいただけましたら、スムーズにご案内させていただきます。

前回では直近の経済混乱時にUSドルの強さが顕著になっている事をお伝えしました。

高額な時計はドル建の資産でありますので、
今日のような状態の時にも安全資産としての役割も示すと解釈できます。

本日は、リーマン後の実物資産の価値の推移を検証したいと思います。
リーマンショック後に、ご存じの通り世界的に株は暴落しました。
そして、その金融下落の穴埋めとして、
不動産や他の多くの実物資産が投げ売りされ、多くの実物資産の値下がりが起こりました。

その流れは、1990年初頭のバブル崩壊、2000年頃のITバブル崩壊、
2008年リーマンショック、2020年コロナショックと約10年おきに、
株の崩壊から時期の差を持ちながら、それぞれの実物資産の下落連動がみられております。

実は、腕時計の市場が最近のように高額取引が増えて熟成してきたのは
2013-2014年頃からであり、趣味の時計から実物資産の一部としての
認識と立ち位置の変換があったようにも思えます。

腕時計のオークション市場で、極レアピースや歴史的な意味のある個体の例外以外は
長年に渡り「1億円」の大台に行きませんでしたが、
2013年のオーレルバックス氏「現フィリップス」の仕掛けた
「CHRISTIE’S DAYTONA LESSON 1」から、
ヴィンテージロレックスブームに火がついたとも思われます。

アートの国際市場でも、アーティストが作品最高額として1億円の評価をつけるのがポイントとなり、1億をタッチすると、一気に値段が跳ね上がります。
100万ドルという最低ラインが投資の基準としている大富豪が少なくないとも分析できます。

2013年のオークションで100万USドルを超える時計が出てからというもの、
2億、3億、5億、17億と鰻のぼりに、最高額の相場が上がってきました。
そして、パテックフィリップオーデマピゲロレックスのバケットラグジュアリーモデルと1000万を超える腕時計が普通に流通され売買されるようになりました。

2000年頃は、300万円くらいの時計でも最高額レベルであったわけですし、
近年珍しくなくなった文字盤がダイヤで埋め尽くされているモデルなんて
旗艦店のショウディスプレイの置物だった感じがします。

ただし、1990年バブル崩壊からの10年おきの危機に対して、
最後の危機が2009年のリーマンショックなので、
まだ今の熟成された高級時計市場として、世界株安に向き合った履歴がないとも感じてます。

そこで、熟成された歴史の長いアート市場で分析したいと思います。

アート、ヴィンテージコイン等は、長年右肩上がりというチャートを形成してます。

なんと、10年、20年、30年、50年チャートでみても、
それぞれ右肩上がりなのです。
スポットで見れば、暴落はありますが数年で元に戻り上昇の線路に戻っております。

例えば、1987年に安田生命がクリスティーズロンドンでゴッホの「ひまわり」を
当時最高金額更新して53億円で取得しました。
買った時は高値掴みのジャパンマネーと揶揄され、
その後、1990年バブル崩壊して、大損したと相当なパッシングがあったそうです。
そんな贋作疑惑やバブル崩壊で半値以下になったと言わている「ひまわり」が今では、
300-400億するのではないかとも言われております。

アートも実物資産であり、お金がある人が行き着く超高額のコレクションだと思います。

バブル崩壊で下落したら、連動し当然値下がりします。
その後、徐々に数年で元値に戻り、その後、更に値を上げていきますが、
またITバブル崩壊で下落します。また戻り、上昇を繰り返します。
リーマンショックでも同じく。

アートディーラー、時計ディーラーの見解で、
一致しているものは、「良いものは下がらない。」と言うことでしょう。

ここで言う良いものとは、数千万するモデルの事を言っているのではなく、
それぞれの個体のコンディションや、付属品、同じロレックスの中でも、
種類によって異なります。その辺りは、来店いただいた際に、お話しさせて下さい!

時計も同じチャートを描くと予想します。
一旦は下がりますが、良いものから順番に巻き戻すと予測します。

経済ショックで、値を下げるものの、下がった所で買う方がいるからです。
すべては需要と供給です。そして、値下がりした個体の玉がなくなれば、
上昇に変わると言う流れです。

現行モデルは、日々、製造されて個体数が増加するため、
全体の数が把握できないのと、今後、急に増産したりして価値が変動するリスクがあります。

一方、廃番の腕時計は、世界に現存※※本と決まってる為、
メーカーでさえ、時間を巻き戻して、増産することは事は不可能なのです。
そういった腕時計は、購入希望者が多くおり、
どんな不況時でも資産性ではなく、趣味としてのコレクションともなります。

各時計それぞれにストーリーや製造秘話があり、
腕時計は一言では語れない価値も多く含まれます。

そして、
装着する楽しみと、ドル預金のような資産性を兼ね揃えた素晴らしいものだと思います。

いつでもご説明させていただきます。
皆様のご来店お待ちしております!!

この記事の執筆者
金子剛
コミット銀座 鑑定士 (時計鑑定歴15年) 2020年よりエグゼクティブ・アドバイザー就任。 腕時計の知識、相場観には定評があり、特にヴィンテージロレックスのマニア気質が高い。 現在、ヴィンテージロレックスに特化したサイト、CVWD.JPを制作。
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