近年、「腕時計の王様」というポジションをデイトナから奪いつつあるノーチラス5711/1A青文字盤。
2006年にデビューして以来、その相場は安いときで150万円前後、高いときでも300万円前後といった印象がありました。
しかし、2017年からはそういった従来のイメージを大きく上回る相場へと変化。そして、2019年にはついに700万円以上という水準に達し、なんと2019年7月には858万円という状態になっていたのです。
2017年でも「目立った値上がり」という印象でしたが、その時点での相場は400万円台。また、2018年にも同様な印象でしたが、それでも500万円台後半といったところでした。
ですから、2019年の800万円台という水準は、2017年や2018年が“可愛く”見えてしまうほどの水準に達していたといえます。
けれども、5711/1A青文字盤がそのような状況となっていたのは、わずか1,2ヶ月程度の間に過ぎませんでした。
なぜなら、5711/1Aは2019年の値下がりトレンドに伴い、9月から下落傾向へと転じます。その頃、約782万円という水準になっていたのですが、これは7月水準と比べて76万円の値下がりでした。
そして、その後も5711/1A青文字盤の値下がりは止まらず、2019年11月には743万円、2020年2月には728万円となっています。
2019年9月⇒11月の段階では39万円という値下がりでしたが、11月⇒2020年2月ではそれが15万円。下落幅は、徐々に弱まっている様子がありました。
その頃といえば、ロレックス人気モデルに回復傾向の兆しがあったため、この5711/1Aも値下がりから脱するのではと思われたのですが、結局その後、新型コロナの影響によって、市場は再度値下がりトレンドへと変化。その結果、この5711/1Aも再度下落傾向となり、また2019年9月⇒11月に近い下落幅となっています。
そして現在、この5711/1A-010は約698万円という水準へと下落している様子。ついに600万円台へと逆戻りしてしまっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年2月 の安値 |
2020年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5711/1A-010 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥7,280,000 | ¥6,985,000 | -295,000 | 95.95% |
5711/1A-010が700万円以上という水準になったのは、2019年5月のことですが、その際、どういった値動きだったかというと、2019年3月の648万円に対して60万円の上昇といったところでした。
さて、ここで気になるのは2019年3月の水準ですが、意外や意外、2019年3月時点でこの5711/1A-010は600万円台中盤という水準だったのです。
「5711/1A青文字盤といえば700万円以上」といったイメージに慣れてしまっていましたが、1年少し前の段階ではまだ600万円台だったわけです。
さらにいえば、この5711/1A青文字盤は、2019年3月以前において、長らく値動きしない傾向があったため、2019年3月時点の648万円という値動きも久々だったわけです。