2014年に登場した116506Aは、これまで「ずっと値上がり傾向」といえる動きを見せてきました。
2015年10月の新品実勢価格(安い順の3社平均値)は728万円だったのが、2018年10月の中古水準は約803万円に上昇。デビュー翌年の新品実勢価格よりも、その後の中古相場のほうが75万円ほど高くなったのです。
そして、その後も116506Aの値上がりは続き、2019年4月には約824万円、10月には878万円、2020年1月には約969万円となったのです。
2019年といえば、上半期に目立った上昇となった反面、夏頃からは値下がりトレンドとなりました。
そのため、多くの人気モデルが2019年夏頃から値下がりしたのですが、この116506Aに関してはむしろ値上がり傾向となっていたのです。
ですから、このモデルは値動きについても価格帯についても、現代の「憧れモデル」の代表格といったところで、まさにものすごい腕時計だったといえます。
しかし、そんな116506Aは、新型コロナによる値下がりトレンドは無視することはできなかった模様です。
なぜなら、現在116506Aのボトム価格は約899万円という水準になっているからです。
これは、1月と比較して約68万円の下落。これまで値上がりし続けていた116506Aは、ついに値下がり傾向となってしまっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年1月 の安値 |
2020年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 116506A |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥9,680,000 | ¥8,998,000 | -682,000 | 92.95% |
116506Aは、2019年夏の値下がりトレンド時には、それを無視するかのように上昇しつづけ、その上昇水準も一度に数十万円単位といった様子でした。
特に2019年10月⇒2020年1月の上昇幅はすごく、3ヶ月で約91万円という上昇だったのです。
そして、その後も上昇がとどまる雰囲気がなく、そのままいけば1000万円超えも不思議ではないといった様子を見せていたといえます。
しかし、2020年4月頃から新型コロナによって、中古市場は全体的に下落トレンドへと変化。
2019年夏の下落トレンドは無視できた116506Aですが、今回はその影響を無視できなかったようで、筆者が確認した限りでは初の“分かりやすい値下がり”となったといえます。
ただ、値下がりとはいうものの、現在水準は2019年10月よりも高い状況。これまでのピークが2020年1月の約968万円ですから、記事でお伝えした116506Aの水準としては歴代2位であるのです。
そういった意味ではそれほどインパクトのある下落幅ではないともいえるのですが、そのような観点よりも、「これまで下落を見せていなかったのに値下がりした」ということが大きく感じると思います。