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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 〜第1回目〜

2020年5月24日更新

皆様、こんにちは。

コミット銀座の時計鑑定士・阿部泰治でございます。

既にご周知の方もいらっしゃる事と思いますが、当店のもう一人の鑑定士・金子が「ROLEX」を主とするご紹介記事を書かせていただいております。

この度、私が最も得意とする分野「パテック・フィリップ」に関する記事を、私見を交えながら定期掲載させて頂くことになりました。

是非、ご拝読下さいませ!

時計店コミット銀座 鑑定士・阿部泰治 

大袈裟な言い方ではありますが、私が仕事として時計に携わる事となったのが、忘れもしない2004年10月に大変お世話になった前職の時計店に入社したのが始まりでした。

お恥ずかしい話ではありますが、その当時知っていたブランドは、ロレックスオメガタグホイヤー程度で、世界三大時計ブランドのパテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンなどは、知る由もありませんでした。

※ちなみにその当時は、ヴァシュロン・コンスタンチンと言われてました。

今まで幸運にも数多くのパテック・フィリップの時計を手に取り見て来たのですが、最初に衝撃を受けたのが、忘れもしない「ワールドタイム Ref.5110J

2000年バーゼル発表、2006年生産終了モデル「Ref.5110P

当時、中古品で180~190万(税込)くらいだったと記憶してます。

(※写真はプラチナモデルです。)

一言に何に衝撃を受けたかと言いますと、リューズを引き時・分針を進めて行くと、連動して24時間表示リングも動き、文字盤上に記載のある世界24都市の時間も瞬時に分かるんですよ!?

しかも、10位置にあるプッシュボタンをおそるおそる押してみると、都市と時間が一緒に飛ぶじゃないですか!?

自分が今まで知るGMT機能は、ホームタイムからの時差を24時間針と時針を使う事によって見ることが出来るというものだったので、これには驚かされました。

後に、サマータイムに対応していないことには気づきましたが、そこは目を瞑りましょう(笑)

2006年に発表された、後継機「ワールドタイム Ref.5130」との違いを申し上げますと、ケース径が37mmから39.5mmにサイズアップがされている、針のデザインが変更、中心部のギョーシェ彫りから、サンビーム系へのデザイン変更が主な点かと思います。

2006年のバーゼルワールドで発表された「Ref.5130P-001

それぞれに良さがあるとは思いますが、ムーブメントが同じで、サイズ変更が行われた点は、個人的な意見としては、都市表示部分のデザイン的な間延び感は否めず、シースルーバックから見えるムーブの占める割合からしても「Ref.5110」が好みではあります。

自分がパテックフィリップを知って、デザインや機能を含め、初めて欲しいと思った1本が「ワールドタイム Ref.5110J」であったのが15年以上経った今でも鮮明に憶えています。

後に見る「Ref.5110P」の差別化されたブルーのギョーシェダイヤルに、ケース6時位置にプラチナのみに許されるダイヤセットに心奪われるのは説明をする由もありませんが(笑)

憶えている限りで、その当時の背景、価格なども交えてお話をしていければと思います。

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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