シャネルのJ12は有名なモデルですが、その価格帯としてイメージされるのは数十万円単位といった金額でしょう。
しかしながら、J12には超高級なモデルが存在。そういったものは、一見、通常のJ12と変わらないように見えますが、実はムーブメントも違うという内容となっているのです。
有名なものとしては、オーデマピゲ製ムーブメントを搭載したH2918ですが、他にも高級ムーブメントを搭載するモデルがあります。
そして、高いモデルとなると、定価は1000万円近い水準になるわけで、一般的なJ12とは明らかに違う価格帯に位置するのです。
そのような高級J12として、H3155というモデルがありますが、これはチタンセラミックという珍しい素材を用いたモデル。
裏蓋部分はWG製となっており、ベゼルと文字盤には豪華なバケットダイヤが目立ちます。
バケットダイヤとチタンセラミックの色合いがなんともマッチしており、“一見すると普通のJ12にも見えるものの、実は超高級”という、まさに「お金持ち好み」な1本だといえるでしょう。
さて、このH3155を前回取り上げたのは2018年2月のことなのですが、その時点では中古が285万円で入手可能でした。
しかし、それから2年4ヶ月が経過した今、なんとH3155は約324万円という水準に上昇。
このようなマニアックな存在でありながら、なんと値上がりしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年2月 の安値 |
2020年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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シャネル
J12 H3155 |
中古 | 2年 4ヶ月 |
¥2,850,000 | ¥3,248,000 | 398,000 | 113.96% |
H3155のこれまでの相場変遷ですが、2015年5月の新品実勢価格(安い順の2社平均)が450万円、2018年2月の中古ボトム価格が285万円という水準でした。
このH3155のようなキャラクターの場合、上記のような値動きとなっていたならば、「一度も値上がりせず、年を追うごとに値下がり」といったことも珍しくありません。
しかし、H3155はそうはならず、現在水準は2018年2月よりも約39万円高いという状況。
こういった動きとなった理由ですが、このH3155という時計が魅力的だからだと感じます。
J12という時計は、一見、腕時計ファン目線では魅力的でないキャラクターにも見えてしまいますが、実は細部を見るとそのような文脈ではありません。
そのような魅力が、時計ファンにきちんと伝わっているため、おそらくこのH3155のような尖ったモデルが評価されているのだと思います。