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現在相場考察

約半年で49万円程の下落、年次カレンダークロノグラフ5960/1A-001

2020年6月26日更新
パテックフィリップのクロノグラフについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年1月の安値と2020年6月の安値を比較し現在相場を考察。この0年5ヶ月での変動は¥-490,518だった。

年次カレンダー クロノグラフ 5960/1A-001についての考察(2020年6月)

パテックフィリップは、長らくクロノグラフムーブメントを持っておらず、クロノグラフとなるとレマニアといったように他社ベースのムーブメントが採用されていました。

そうはいっても、その時代のクロノグラフが評価されないといったことはなく、むしろ評価が高いといえるぐらい。5070などは値下がりといった印象もありますが、それでも700万円以上という水準です。

ただ、自社製クロノグラフということもまたインパクトがあるため、結果的にパテックフィリップのクロノグラフモデルは他社ベース、自社製を問わず、どちらも評価されている印象です。

パテックフィリップの自社製クロノグラフは、2006年にノーチラスに搭載されてデビューしましたが、「ノーチラスからデビュー」ということがさらなる話題性を生み出したといえます。

ノーチラスとともに、5960Pもデビューしたのですが、これもまたインパクトがあったモデルだといえます。

こちらの内容は「クロノグラフ+年次カレンダーとなっており、従来であればグランドコンプリケーションに匹敵する機能を有していたわけです。

さらにプラチナ製となっており、スポーティーなノーチラスに対して、最高級といった印象のあるモデルだったといえます。

ちなみに2009年にはローズゴールド版が登場していますが、“最初はプラチナのみ、後からローズゴールドが追加”といった展開はクロノメトロゴンドーロと同じです。

そんな5960Pですが、2014年には生産終了。が、しかし、それと入れ替わるようにこの5960/1A-001がデビューしています。

パテックフィリップのステンレスモデルという存在は、ノーチラスなどスポーツ系(及びtwenty-4)を除くと未だに少数派であり、かなりレアという印象が強いといえます。

今年2020年に登場した限定モデルの6007Aもそうですが、なにかと意外性が強いのです。

5960Pというモデルの印象として、かなりな上級クラスというイメージがあったのに、それと入れ替わるようにステンレス、それもブレスレットタイプが出るというのは、文脈としては強いインパクトだといえます。

そのため、5960/1A-001は長らく「高くて人気のあるパテックフィリップ」という印象があったわけですが、そのようなイメージとは逆に、中古市場ではそれほどの評価となっていません。

そういった様子は現在でも同様なのですが、今ではさらに値下がりしているという印象となっています。

今年の1月に5960/1A-001約486万円という水準だったのですが、それは2019年1月に対して約29万円の下落だったのです。

そして今、5960/1A-001約437万円となっているのですが、2020年1月に対して約49万円の値下がりとなってしまっている状況です。

本記事で参考とした中古腕時計

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PATEK PHILIPPE パテックフィリップ アニュアルカレンダー クロノグラフ 5960/1A-001 中古 325207

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年1月
の安値
2020年6月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
年次カレンダー
クロノグラフ
5960/1A-001
中古 0年
5ヶ月
¥4,868,518 ¥4,378,000 -490,518 89.92%

これまで記事でお伝えした5960/1A-001の水準ですが、2015年5月の新品実勢価格(安い順の3社平均値)が約587万円、2019年1月の中古ボトム価格が516万円、2020年1月が約486万円、2020年6月現在が約437万円です。

つまり、5960/1A-001は年々安くなっている状況であるわけで、これまで一度も「値上がり」といった様子をお伝えしたことがないのです。

5960/1A-001は先にお伝えしたように、注目モデルといった印象があるのに、なぜこのような中古相場となっているのでしょう。

その答えとして考えられるのは、5960/1A-001の評価が文脈に頼る部分が大きいといった点かもしれません。

5960/1A-001のことを理解するためには、5960Pという存在を知っていることや、過去のクロノグラフ事情などの知識が必要ですが、そのような楽しみ方は多くの時計ファンにとってスタンダードでない可能性があるわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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