腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

プラチナなのに安価、チェリーニチェリニウム5240/6

2020年7月1日更新
ロレックスのチェリーニ5240/6について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年10月の安値と2020年7月の安値を比較し現在相場を考察。この1年9ヶ月での変動は¥-166,000だった。

チェリーニ チェリニウム 5240/6についての考察(2020年7月)

プラチナの腕時計といえば、安くても中古相場が100万円以上という印象があり、実際“売れ筋”といったキャラクターの価格は500万円前後といった感覚があります。

クレジットカードのランクでも、ゴールドよりプラチナのほうが上という傾向がありますが、そういったことは腕時計でも同様。金相場では「プラチナ<ゴールド」となってからすでにそれなりの年月が経過していますが、高級品のイメージは「ゴールド<プラチナ」です。

また、プラチナの加工はゴールドよりも難しいため、腕時計ラインナップは少ない傾向。ですから、最高級モデルとして少数がラインナップされているに過ぎません。

以上の要素から、プラチナの腕時計相場は高い傾向となっているのでしょう。

しかし、そんなプラチナ製腕時計の中には例外が存在。

その代表格こそ、ブルガリブルガリBB33PLですが、数年前から中古相場が30万円台後半となっています。BB33PLは凝った内容ですが、ブルガリブルガリ自体の相場が安いため、プラチナモデルも比較的安価なのでしょう。

BB33PLは、Dバックル部分までしっかりプラチナ製ですが、他ブランドでは、ケースはプラチナでもバックルはWGということもあります。

ですから、BB33PLは特に目立った落ち度がないにも関わらず評価されていないといえます。

そして、もう一つの安価なプラチナ腕時計は何かというと、意外にもロレックスであります。

ロレックスといえば『大人気かつ、値動きも激しい』といった印象がありますが、今回登場するのは、そんなロレックスのプラチナモデル。しかもシェル文字盤です。

それこそが、このチェリーニ5240/6なのですが、現在相場はなんと約63万円という水準。

実に、スポーツ系のSSモデルの最安値に近い水準でプラチナ高級モデルが購入可能という状況なのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年10月
の安値
2020年7月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
チェリーニ
チェリニウム
5240/6
中古 1年
9ヶ月
¥804,000 ¥638,000 -166,000 79.35%

このチェリーニ5240/6を前回お伝えしたのは、2018年10月のことですが、その際は約80万円という水準でした。それは、2016年10月との比較で約20万円の値上がり状態だったのですが、2016年⇒2018年のロレックス相場基準からすると自然な値動きだったといえます。

しかしながら、それから1年9ヶ月後の今、再び5240/6は60万円台に戻ってしまったのです。

その結果、現在水準は2016年10月と2万円程度しか価格差がない状況となっています。

先のように、この5240/6には

  • プラチナ
  • シェル文字盤
  • という要素があるわけですが、それに加えてコンピューター文字盤の装飾もあります。

    プラチナが高いのはもちろんですが、シェルやコンピューターもデイトジャストでは評価される傾向があります。

    そういった意味では、5240/6という存在は要素だけを見れば、人気アイテムが詰まっているといえます。

    そうであるにも関わらず、5240/6が60万円台といった水準で購入可能なのは、チェリーニ人気がないからでしょう。

    ロレックスというブランドに対するイメージはオイスター系の印象が強いため、チェリーニの注目度は低く、特に中古相場では安価という傾向があります。

    ドレス系となるとパテックフィリップが強いですが、このチェリーニ5240/6は、パテックフィリップに対抗できる内容だといえるかもしれません。

    実際、ロレックスですからマニュファクチュールですし、品質も良いでしょう。

    そういった意味では、ドレス系の腕時計を買いたいと思った際、この5240/6という存在を検討する価値があると思うのです。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
    本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。