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現在相場考察

5万円前後で楽しめる、キリウムクロノグラフCL1111

2020年7月3日更新
タグホイヤーのキリウムについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年2月の安値と2020年7月の安値を比較し現在相場を考察。この3年5ヶ月での変動は¥3,930だった。

キリウム クロノグラフ CL1111についての考察(2020年7月)

高級腕時計の中古水準として「5万円」という金額は激安という部類になりますが、その価格帯の選択肢は、「それはそれで魅力的」だと感じます。

現在そういった価格帯で入手可能なのはどんなものかというと、

  • ブルガリブルガリBB33SL
  • ブルガリソロテンポ
  • タグホイヤーキリウム
  • タグホイヤーS/el
  • などがありますが、90年代後半といった時代に注目度の高かった存在が多いと感じます。

    その頃といえば、スティーブジョブズのアップル復帰、それによるiMacの登場。インターネット時代の幕開けや、世界で初めてハイブリッド市販車(初代プリウス)が発売されるなど、なんとなく「世の中が未来になっていく」様子があったといえます。

    上記5万円の選択肢の中では、ソロテンポキリウム1997年登場というように、まさにその時代に「新製品」としてデビューしたわけですが、どちらも「新しさ」を打ち出していたといえます。

    まずソロテンポについてですが、これは『上級ブランドによる廉価版』の先端だったといえます。ブルガリの裾野を広げるといった趣旨で出されたようですが、従来のブルガリよりも安価という価格帯に位置していました。

    メルセデスベンツがAクラスを登場させたのも97年ですが、高級ブランドによる廉価版といった製品コンセプトがこの時代「先端」といった印象がありました。

    そして、タグホイヤーキリウムですが、こちらはタグホイヤーの中価格帯を担うモデル。4000シリーズの後継という役割を担っているキリウムには、デジタル表示を備えたコネクテッドウォッチ的なモデルも存在してます。

    そういった先進的イメージは、時計本体のデザインにも見受けられ、特にクロノグラフは、インダイヤルの「フチがない」というデザインがそれを強調しているように感じます。

    その雰囲気が、なんとも魅力的だと思い、筆者は個人的に好きな時計の1つであるため追っているのですが、ここ3年ぐらい、あまり程度の良いものが売られておらず、相場も見づらい様子となっていました。

    さて現在、そんなキリウムのクロノグラフCL1111に久々に程度が良さそうな個体があるのですが、現在水準はどういった様子かというと約6.1万円といったところ。

    これは2017年2月水準に対して約3900円の上昇ですが、依然として「5万円前後の選択肢」だといえる状況だといえるでしょう。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2017年2月
    の安値
    2020年7月
    の安値
    変動額 残価率
    タグホイヤー
    キリウム
    クロノグラフ
    CL1111
    中古 3年
    5ヶ月
    ¥57,780 ¥61,710 3,930 106.80%

    2017年2月から3年以上が経過しましたが、その間に大きく相場が上昇した腕時計は多々あります。

    それは「5万円前後の選択肢」に近い水準の腕時計にもみられ、オメガダイナミックは3針、クロノグラフともに2017年よりも「明らかに高くなった」という様子を見せています。

    それに対して、キリウムは2017年とほぼ同様。未だ5万円前後で楽しめるというだけでなく、実は定価の観点ではダイナミックよりもキリウムのほうが高く、本来上級な存在であるのです。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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