ブライトリングのナビタイマーといえば、その時計像がすぐに思い浮かぶほど有名なシリーズですが、その反面、出されたモデル数が多いため、全体像が掴みづらい傾向があります。
しかし、このA40035というモデルは、そのようなナビタイマーの中でも異色な雰囲気を放つモデル。
明らかに他とは見た目が異なるわけで、その雰囲気はどことなくオメガのダイナミック(1997)に近いものがあるといえます。
それもそのはず、このA40035はナビタイマーの復刻モデルであるわけで、他のナビタイマーとは一線を画す存在であるのです。
そして、このモデルには意外な要素がもう一つあります。それは販売されていた時期です。
一見、復刻版といっても、どこか近代的な印象があり、ひと目見た感覚としては、2000年代中盤から後半頃に登場したモデルなのではないかと思ってしまいます。
けれども、このA40035が登場したのは1998年頃。実は、2000年代世代より1つ前に相当する年式なのです。
1998年頃といえば、タグホイヤーがカレラを復刻させた時代ですし、先にこのナビタイマーに似ていると紹介したオメガのダイナミックが登場したのもこの頃です。
この時代にデビューした形跡は、約36mmというケースサイズを見ても感じるのですが、もしも2000年代中盤に出たならば、おそらく40mm以上というサイズで出ていたことでしょう。
筆者個人的には、90年代後半という時代には名作が多いと思っているのですが、このナビタイマーA40035もまた、それに該当する1本だと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2014年6月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブライトリング
ナビタイマー 黒文字盤 ブレスレット A40035 |
中古 | 6年 1ヶ月 |
¥148,000 | ¥223,300 | 75,300 | 150.88% |
このA40035には、この黒文字盤と銀文字盤があり、ストラップも革ベルトとブレスレットがあります。
そのため、相場を見るときはそれらに注意しなければならないのですが、黒文字盤ブレスレットは2014年と比べて値上がりしているといえる様子です。
2014年6月時点では、約14万円といった水準だったのですが、今では約22万円。10万円台から20万円台になるという変化を遂げたわけですが、このような動きはオメガダイナミックや復刻版ホイヤーでも同様だといえます。
2014年当時といえば、すでにアベノミクスから1年以上が経過していた時期で、腕時計も全体的に高い印象がありましたが、そのような環境下でこのA40035や復刻版ホイヤーは10万円台、オメガダイナミックは10万円以下という水準でした。
ですから、これらモデルは当時、高級腕時計の中古価格帯としては「激安」の部類に相当したわけで、そのような評価から値上がりとなるのは困難という見方もあったでしょう。
しかしながら、今となってはそのいずれもが上昇しているわけで、90年代後半の「名作」に対する評価がそれなりにされていると感じます。