2020年4月に、新型コロナによる緊急事態宣言が出されましたが、その影響により多くの腕時計が値下がりしました。
そして、5月末に緊急事態宣言が解除されると、それら腕時計の多くが回復。今では値下がりは一時的だったと感じられるほど、4月と比べて上昇しているモデルが多くなっています。
とはいうものの、それら腕時計はピーク時水準と比べると「安い」といったものが多く、まだ本格的な回復にはなっていないといえます。
実際、この1年の間に、2019年夏、2020年4月という2つの下落トレンドがあったため、ピーク時水準を超えるためには、2020年4月水準を上回るだけでは足りません。
しかし、そういった事情があるにもかかわらず、ピーク時水準を超えているモデルがここ最近、ちらほらと出始めている様子があります。
最初にそのような様子となっているのをお伝えしたのは、ヨットマスター16622ですが、これはピーク水準を上回っているのです。
そして、今回取り上げるエクスプローラー114270もまた、ピーク時水準を上回る状況。
114270といえば、長らく価格ステージが変わらなかったのですが、2019年6月に『40万円台⇒50万円台』となる変化を遂げました。
それが2020年4月の下落トレンドによって、再び40万円台に下落したのです。
けれども、今ではきちんと回復しており、再度50万円台に返り咲いている様子を見せています。
そして現在水準はどうなっているかというと、約54万円というボトム価格。なんと、2019年6月の約52万円を上回る水準に達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年5月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エクスプローラー 114270 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥476,766 | ¥547,800 | 71,034 | 114.90% |
エクスプローラー114270は、2001年に14270の事実上のマイナーチェンジモデルとして登場しましたが、新しい型番になったことから“新モデル”という扱いで、デビュー当初はプレミア価格になっていました。
その当時、前モデルの14270は、現在の116710BLNRに匹敵するような人気度だったため、114720のデビューは大ニュースだったわけで、プレミア価格だったとしても何ら違和感はなかったのです。
けれども、ここ数年の様子では、114270の値動きは“鈍”な印象。
大きく値動きするということは稀で、価格ステージが変化するのも2年に1度とといった頻度となっています。
実際、この3年間の価格ステージは、2017年5月に『30万円台⇒40万円台』、2019年6月に『40万円台⇒50万円台』という変化にとどまるのです。
ですから、4月の下落は、一度変化した価格ステージが元に戻るという様子だったわけで、なかなかインパクトのある値下がりだったといえます。
それが3ヶ月で回復し、過去最高値レベルを上回る水準となっているわけですから、今回の動きもまたドラマがあるといえるのではないでしょうか。