今年1月の記事で「異変が起こっている」と表現したエアキング116900。
なぜそういった表現となったかというと、その際116900が過去最高値といった状況だったからなのですが、2020年1月という時期にそのような動きをするモデルは多くなかったのです。
また116900は、それまでそれほど目立たない値動きをしていたため、そのような変化はインパクトがあったわけです。
エアキングの116900がデビューしたのは2016年ですが、デビューの注目度は凄まじく、「エアキング」というそれまでのキャラクターを一変させしまったかのような登場だったといえます。
エアキングはそれまで、エントリーを担う役割を持っており、ロレックスとしては最廉価モデルといった印象がありました。
当然、キャラクターはスポーツ系ではありません。文字盤バリエーションも多く、プレミア価格といった現象とは無縁ともいえる存在感だったといえます。
それが2016年、エアキングはなんとスポーツモデルへと変化。文字盤色も1つのみとなったのです。なんだか、都会に出ていった子が垢抜けて故郷に帰ってきたようで、だれもが無視できないという状況だったように感じます。
しかしながら、そのような様子は長く続かなかったのです。
デビュー年に高い注目度となった116900ですが、翌年2017年の中古は値下がり。全く同じ時期にデビューしたデイトナ116500LNは、『2016年の新品実勢価格よりも2017年の中古ボトム価格のほうが高い』という様子となっていた一方、このエアキング116900はそういったことにならなかったわけです。
そして、その後、2018年にはさらに値下がり。3月の中古水準は約58万円となっていました。
2019年3月には約62万円に持ち直したものの、それほど大きな値上がりといった感覚もなく、116900の印象はデビュー時とはうって変わって地味になっていたといえます。
ですから、デビュー翌年の2017年から2019年頃まで116900は、それほど派手な動きをしないといった様子となっており、話題性も大きく無い存在感だったといえます。
そして、2020年1月、そんな116900に異変が起こります。
それこそが、冒頭でお伝えした過去最高値といった状況なのですが、このような値動きは116900としては類稀な値動きだったわけです。
ただ、その際の水準は、2016年11月の新品実勢価格を超えておらず、あくまで「中古として過去最高値レベル」といった状況にとどまっていたといえます。
さて、それから数ヶ月が経った今、やはりエアキング116900の「異変」は無視しなくて良かったといえる状況となっています。
なぜかというと、この116900が約68万円という中古水準となっているわけなのですが、これは過去最高値を更新したと同時に、2016年11月の新品実勢価格(安い順の3社平均値)を超えているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年1月 の安値 |
2020年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エアキング 116900 |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥669,200 | ¥687,500 | 18,300 | 102.73% |
筆者はデビュー年の新品実勢価格として、それなりに供給量が安定した11月頃の水準を参考としていますが、2016年11月における新品実勢価格の3社平均値は67万914円でした。
それに対して、現在の中古ボトム価格は約68万円。また、2番目に安い個体はすでに70万円台となっており、現在60万円台なのはこの記事の個体のみという状況でもあります。
116900はデビューから数年越しで「デビュー時の新品実勢価格より、後の中古ボトム価格のほうが高い」という状況になっているわけですが、1月の記事で「異変が起こっている」という様子を無視しなくて良かったと思っています。