最近、雲上ブランドのスポーツモデルはラグジュアリースポーツを略して「ラグスポ」と呼ばれるほどメジャーになってきましたが、その元祖こそロイヤルオークであります。

ただ、ロイヤルオークの場合、ノーチラスのような有名型番はそれほど多くない傾向があり、元祖ながら、なんとも勿体ない状況だと感じられます。そして、そうなっている理由こそ、そのモデル数の多さにあります。

ノーチラスの場合、「3700⇒3800⇒5711」といったモデル変遷であるため、その全体像がかなり把握しやすいのですが、ロイヤルオークとなるとそれなりに腕時計に詳しい人視点でも、「5402⇒？⇒エクストラシン」といった感じとなってしまうでしょう。

そうなると、初代5402に近いモデルか、現行に近いモデルといったモデルなどが比較的分かりやすい印象となるわけで、この14790ぐらいの世代だとそのキャラクター像が分かりづらいかもしれません。

ただ14790には、実は「分かりやすさ」を感じる要素が存在。それこそが、2000年前後という時代に現行だった世代であるということと、当時ノーチラス3800/1Aのライバル的印象だったという点です。

2000年頃、現在「ラグスポ」と呼ばれるモデルを取り扱うお店はあまり多くなく、中古流通もかなり少ない印象がありました。

また、その価格帯も、新品実勢価格で100万円以下といった相場。そして、取り扱われるモデルも限られていました。

例えば、「ラグスポ」を取り扱うお店でも、比較的新しいモデルが多い印象で、オーバーシーズやアクアノートはほぼ全てがある一方、ノーチラスやロイヤルオークは一部に限られていたのです。

ノーチラスの場合、当時最新という印象だった3800/1A-001（黒文字盤）と3710/1Aのみといった印象。そして、ロイヤルオークでよく見かけるのがこの14790だったのです。

さて、そんな14790ですが、当時はどのような水準だったかというと約55万円という新品実勢価格。ちなみに、これはオーバーシーズのラージ自動巻モデルとほぼ同じでした。

そして、2017年3月時点の中古水準は、110万円台後半といったところだったのですが、アベノミクス以降は大体そのような価格帯といった感じで、それほど目立った動きがないという印象もありました。

そんな14790の価格帯が特に変化したと感じたのは、2018年8月のことだったのですが、その際14790は130万円台となっていたのです。

この白文字盤の14790ST.OO.0789ST.10はその頃、135万円だったのですが、他の文字盤も同じような水準だったと思います。

2018年といえば、1月ごろから15400が目立って上昇し、その他ロイヤルオークの上昇も多くなっていたため、14790の130万円台という様子は、2018年において他のロイヤルオークと同じように値上がりしたという印象でした。

しかし、そんな14790は今、他とは違う動きをしているのです。

それはどういったことかというと、「14790が特に上昇した」値動きです。

現在、他のロイヤルオークで目立って値上がりしているといった印象のある3針はありませんが、この14790は違います。

現在、14790ST.OO.0789ST.10は約167万円という水準なのですが、これは2年前に対して約32万円の上昇であるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

オーデマピゲ 【AUDEMARS PIGUET】 ロイヤルオーク 14790ST… 楽天で購入

本記事の価格比較

2年前、この14790が「110万円台⇒130万円台」となった際、かなり高くなったと感じました。

それが、2018年と2020年現在では「130万円台⇒160万円台」となっているのです。

ですから、14790はここ数年でかなり評価されるようになったといえます。