腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

10万円以下だったクォーツオメガが値上がり、コンステレーション1552.30

2020年9月3日更新
オメガのコンステレーション1552.30について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年8月の安値と2020年9月の安値を比較し現在相場を考察。この3年1ヶ月での変動は¥44,200だった。

コンステレーション 1552.30についての考察(2020年9月)

オメガコンステレーションには、クォーツモデルや自動巻など様々な種類がありますが、今回取り上げる1552.30は、特殊なクォーツムーブメントが搭載されたモデルです。

これに搭載されているETA252.511は、3針+デイトという内容のクォーツですが、実は永久カレンダー機能を搭載しています。

永久カレンダーといえば、インダイヤルによって永久カレンダーらしさを演出する傾向があり、クォーツでもそういったことが一般的だといえます。

しかし、このキャリバーは、一見ただの3針なのに実は永久カレンダーというのが面白いポイント。

永久カレンダーですから、「何月何日」という部分まで表示可能なのですが、1つしかないデイト窓でどのようにしてそれを伝えるのでしょう。

その答えは、なんと「竜頭を押すとデイトが回転する」であります。

普通の腕時計の場合、竜頭が通常位置にある場合、それ以上押し込むことができませんが、このムーブメントは押し込むことが可能。押すと反発力があって、離すと竜頭はすぐ跳ね返るのですが、3秒ぐらい押し込み続けると、デイト部分が動き始めるのです。

ですから、9月3日であれば、デイト表示がぐるぐる回って「3」から「9」に変わります。そして、5秒ぐらい停止してから、4年の年次を示すローマ数字が現れた後、もとの「3」に戻るわけです。

なぜこのレアムーブメントの仕組みを詳しく知っているかというと、実は同様のムーブメントを搭載した腕時計を筆者が持っているからなのですが、2月28日の翌月にデイトが「1」となっている姿を見るのは感激します。

とはいえ、実はこのムーブメント、これだけの特殊機能を搭載しているだけあって、メンテナンスがやや困難。とにかくパーツが手に入りづらいようで、メーカー以外では修理できないと思ったほうが良いといえます。

そういったことから手を出しづらい印象もあるわけですが、修理の際は単純にメーカーに出せば良いわけで、避けるほど厄介というわけでもありません。

「厄介ではない」ということは、相場からも感じることができるのですが、この時計、3年前に紹介したときよりも値上がりしているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります
オメガ 時計 コンステレーション パーペチュアル カレンダー メンズ 白文字盤 1552.30 BOX OMEGA 1552-30 コンステ 美品

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年8月
の安値
2020年9月
の安値
変動額 残価率
オメガ
コンステレーション
1552.30
中古 3年
1ヶ月
¥73,800 ¥118,000 44,200 159.89%

3年前に1552.30を紹介した時点では、約7.3万円でしたが、今ではなんと11.8万円という状況。3年で値動きした額は約4万円となるわけですが、それ以上に7万円程度だったクォーツモデルが10万円以上になったことに驚きます。

クォーツ搭載モデルは、マニアックさが弱いことから、指名買いされづらく、結果的に値動きしにくい側面がありますが、この1552.30には「特殊な永久カレンダー搭載」という濃いキャラクターがあるわけで、値動きしたのだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。