今年3月に発表される予定だったロレックスの新作は、新型コロナの影響によって、現地時間の9月1日にWEBで発表されるという事態になりました。
WEB上で新作をリアルタイムで見ることができるというのは、まるでアップル製品のようですが、ロレックスも同じぐらい熱狂的なファンが多いといえます。
さて、そのような注目度の中、今年発表されたのがサブマリーナの新作。これは、新作のデビューというよりも、世代交代でありますが、前世代とは異なり一斉モデルチェンジとなったのです。
2000年代中盤からの6桁世代では、新作が発表されるごとに「ロレックスらしくない(それまでの事例とは異なる)」という印象があった一方、今回の新作では「ロレックスらしさが戻った」というように感じます。
というよりも、すでに6桁世代に慣れてしまっているため、“らしさが戻った”というよりも、新鮮といえるかもしれません。
特に「戻った」と感じるのは、文字盤色ですが、「青サブ以外は黒文字盤」という配色は、まさに5桁時代と同様だといえます。
6桁の場合、緑サブが文字盤も緑となったり、デビュー時の青サブが非サンレイとなるなど、それまでのロレックスの印象からすると「らしくない」といえましたが、今ではそのような仕様に慣れたといえます。
まして、それが生産終了となると「レア」と感じてしまうわけすが、「らしくない」という要素は確実に尖っているといえるため、やはり生産終了となるとそのインパクトはより強くなると思います。
そのようなことから、当然生産終了となった116610LVは、超値上がり状態という様子。現在、116610LVのボトム価格は約229万円という水準なのですが、生産終了前に200万円以上となることはありませんでした。
まして、本来このモデルが登場する予定だった2020年春という時期には、新型コロナの影響で大幅な下落状態。116610LVの4月時点の中古水準は約135万円にまで下落していたわけですから、4月から9月にかけての変動額はなんと94万円程度となるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年4月 の安値 |
2020年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
サブマリーナ 116610LV |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥1,350,800 | ¥2,298,000 | 947,200 | 170.12% |
緑サブといえば、今年登場した新型以外に116610LVと初代の16610LVがあるわけですが、筆者はこれまで116610LVよりも16610LVのほうが評価されると思っていました。
16610LVには、ファット(フラット)4やビッグスイス、ライムベゼルなど「高くなるレア要素」が多々あるわけですが、そのようなキャラクター性は16520と似ていると思ったのです。
また、「緑ベゼル+緑文字盤」よりも「緑+黒文字盤」のほうがロレックスらしさがあると思ったため、16610LVのほうを推していたわけですが、もはや116610LVは16610LV(ファット4等を除く)とは比べ物にならない価格帯にまで遠ざかってしまいました。
新型が「緑+黒文字盤」となった今、当然「緑+緑文字盤」がかなりレアだったと感じるわけですが、緑ベゼルに緑文字盤という尖った要素がたまらなく良いと感じてしまいます。
そのような心理からか、116610LVは生産終了後にかなりな値上がりとなったわけですが、この派手な上昇は116710BLNRの生産終了時と比べ物にならないぐらいの値上がりだといえます。
116710BLNRが生産終了となった際も、その時点では「すごい値上がり」と感じましたが、116610LVはそれをかなり上回っているわけです。
116710BLNRの場合、後継モデルの見た目的な差は「ブレスレットがジュビリーか3連か」といった差であるため、新・旧の差をそれほど強く感じないのですが、「文字盤が緑か黒か」という116610LVの場合、大きな差を感じてしまうのです。