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現在相場考察

ついに30万円台という水準、スピードマスター3594.50

2020年9月28日更新
オメガのスピードマスター3594.50について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年5月の安値と2020年9月の安値を比較し現在相場を考察。この0年4ヶ月での変動は¥38,200だった。

スピードマスター 3594.50についての考察(2020年9月)

スピードマスターには無数のラインナップがありますが、中でも有名な存在がムーンウォッチ。特に3570.50が知られているといえますが、これは96年頃にデビューしてから2014年頃まで現行だった世代です。

腕時計ブームといわれた90年代後半、独立時計師が注目された2000年代中盤、ロレックスと同じぐらいパテックフィリップ人気が高くなった2010年代。その重要な時期を「現行モデル」として見つめつづけた3570.50は、時計界の証人のような存在だといえるでしょう。

では、この3594.50はどんな存在かというと、まさに3570.50の亜種といったところ。3570.50をベースとして、初代モデル風の見た目としたモデルだといえます。

2000年前後といった時代、3594.503570.50とともに売られていたのですが、当時は「ファーストレプリカ」としてそれなりに知名度があったといえます。

今では復刻モデルは、通常ラインナップよりも価格帯が高いという傾向がありますが、この3594.50が現行だった時代はそういった傾向がなく、3570.50ほぼ同じ値段で売られていました。

しかしながら、ここ2年ぐらいの相場では、3594.503570.50よりも安いといった水準へと変化。通常、このようなモデルはレアとして評価され、少なくとも3570.50と同じ水準となるはずなのですが、不思議と3570.50よりも目立って安い水準に位置していたのです。

3570.50は、2018年8月に30万円台というボトム価格になったことを確認していますが、その変動が3594.50に影響を及ぼすことはありませんでした。

3594.50はここ2年ぐらいの間、25万円前後といった感覚があり、「最も安く購入可能な手巻きスピードマスター」という印象があったぐらいです。

このような現象は、興味深かったため、何度も記事で紹介したのですが、特に動くということもありませんでした。

それは今年5月にお伝えしたときも同様で、相変わらず3594.50約26万円という額で購入可能だったのです。

そんな3594.50ですが、なぜか今、目立った上昇となっている様子があるのです。

5月に約26万円だったのが、現在では30万円というボトム価格。3570.50に遅れること2年、3594.50はついに30万円台という水準になったわけです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年5月
の安値
2020年9月
の安値
変動額 残価率
オメガ
スピードマスター
3594.50
中古 0年
4ヶ月
¥261,800 ¥300,000 38,200 114.59%

筆者としては、3570.5030万円台になったときから、3594.5030万円台になっても不思議でないと思っていましたが、まさかそうなるのが2年後とは思いませんでした。

通常の動きであれば、3570.50が変動してから遅くとも数ヶ月以内で動くというイメージだったわけですが、3594.50は長らく動かなかったわけです。そしてそれが、2020年9月というタイミングでいきなり30万円台になるというのは、「なぜ急に動いたのだろう」という感想になります。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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