2007年のデビュー時に、当時最も高いSSモデルという印象だったデイトナ116520を遥かに上回る新品実勢価格となっていた116400GV黒文字盤。翌年リーマンショック時には凄まじい値下がりとなったわけですが、その後、アベノミクス以降にあまり値動きしなかったなど、「異例な値動き」が多いモデルという傾向がありました。
ただ、今年においては、「異例さがない」動きとなっており、新型コロナによる緊急事態宣言時には、他の人気モデルと同様、値下がり傾向となっていました。
これまでのミルガウスの値動きの場合、そのような時代に「逆に値上がりする」といったようなことが起こっても不思議でなかったわけで、普通の動きをして逆に驚くといった感覚だったわけです。
そしてそういった傾向は10月現在でも変わっていないようで、116400GV黒文字盤は現在値上がり傾向となっています。
この1年ほどは下落トレンドがあったため、多くの時計にとってのピーク水準は2019年上半期という傾向がありますが、2020年8月頃から2019年上半期水準を超える状況となっているモデルをそれなりに見かける様子があります。
116400GVの現在水準は81万円であるのですが、これもまた2019年上半期以上という水準。
リーマンショック(2008年9月)以降の水準としては、最高値に匹敵する相場だといえますが、筆者としては、ミルガウスらしい異例さがないと感じてしまいます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年5月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ミルガウス 黒文字盤 116400GV |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥723,800 | ¥810,000 | 86,200 | 111.91% |
そうははいうものの、感慨深いと感じる点もあります。
2017年頃まで50万円台中盤だった116400GV黒文字盤は、目立った値動きしない印象があったものの、じわじわと動いた結果、ついに80万円台となっているわけで、「すごい」と感じられる動きだといえるでしょう。
しかしながら、現在水準では、2008年リーマン前の約157万円という水準(新品実勢価格、5社平均値)までまだ程遠いわけです。
また現在、他の同世代の6桁スポーツモデルの中で「特に目立った動き」というわけでもありません。
80万円台という現在水準は、2008年12月の新品実勢価格(5社平均値)の約65万円を大きく上回ってるわけですから「優秀」という見方もできますが、ミルガウスらしい特異な動きというわけではないのが少し物足りないと感じてしまいます。