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現在相場考察

2016年水準とほぼ変わらない、年次カレンダー5396G-011

2020年10月13日更新
パテックフィリップのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年9月の安値と2020年10月の安値を比較し現在相場を考察。この1年1ヶ月での変動は0万円の値上がりだった。

年次カレンダー 5396G-011についての考察(2020年10月)

パテックフィリップ年次カレンダーは、2000年代中盤頃からラインナップ数が増えていった傾向がありますが、2006年には小窓でカレンダーを表示するデザインが登場しています。

その際出たのが5396Gですが、新たな年次カレンダーの幕開けという印象だったといえます。

このモデル登場以前にも、小窓でカレンダーを表す年次カレンダーは存在していたのですが、それは、希少な限定モデルの5125。これは、ドイツの販売店WEMPEの125周年を記念して作られたモデルですが、永久カレンダーの名作3448などを参考にしたようであります。

5396が出た際、その文字盤デザインは1930年代のカラトラバ風のものが採用されたため、WEMPEとは異なる雰囲気でしたが、後にWEMPEに近いデザインの文字盤がデビュー。それがこの5396G-011なのですが、2010年のデビューから2017年頃まで「高くて人気なパテックフィリップという印象があったように思います。

2016年7月の段階で、5396G-011388万円という水準だったのですが、当時ノーチラス5711/1A-010300万円前後といったところ。5396G-011はすごく高いモデルという感覚があったのです。

しかしながら、ここ近頃ではノーチラスと価格序列がまったくもって逆転。5396G-011と比較できないほどノーチラスは高くなってしまいました。

それに加えて、5396G-011は2018年の段階で値下がり傾向となっており、ノーチラスとは逆の値動きとなっていたのです。

とはいえ、目立って値下がりしたのは2018年11月ぐらいといったところで、それ以外の時期については「あまり大きく変動しない」といったところだといえます。

では、現在水準はどういったところなのかというと、385万円というボトム価格なのですが、これは2019年9月と全く同じであるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年9月
の安値
2020年10月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
年次カレンダー
5396G-011
中古 1年
1ヶ月
¥3,850,000 ¥3,850,000 0 100.00%

なお、この5396G-011先にお伝えしたように、2016年7月の段階でも388万円ですから、4年前と比較しても「ほぼ変わっていない」ということになります。

ちなみに、2017年9月時点の水準は380万円。この時、2016年7月と比べてやや値下がりしたものの、そこまで大きく変わっていなかったといえます。

ですから、この5396G-011は、この4年間においてほぼ中古水準が変わっていないわけです。

2016年7月と現在とでは、大きく値動きするモデルが多々あるという印象があり、実際今、2016年の水準を見たならば、多くのモデルに対して「安い!」と思うことでしょう。

しかしながら、この5396G-011は変動していないため、不思議なお得感を感じるかもしれません。

2016年と比べても、あまり値動きしていないというモデルはあるにはあるのですが、5396G-011のように、数年前まで「高くて人気」と思われていたようなモデルでの事例は稀だといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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