エルプリ搭載のデイトナといえば、16520を筆頭に、高値かつ値動きが活発という印象があります。
けれども、ここのところ16520の値動きはそれほど派手ではありません。16520は、2016年12月頃から、市場全体を牽引するかのような“派手な動き”となっていたわけで、それと比べると最近の動きは随分地味だといえます。
ちなみに、16520の後、ノーチラス5711/1A青文字盤がそういった役割となっていましたが、現在5711/1Aも16520に近いような状況です。
しかし、興味深いのは、デイトナでもノーチラスでも、これまでそれほど“派手な動きとはなっていなかったモデル”が着実に値上がりしているという点です。
ノーチラスの場合、3800/1Aがそれに該当しますが、デイトナの場合は16523がじわじわと上昇しているといえるのです。
16523といえば、現行当時から「16520よりも実勢価格が安い」というような印象でしたが、2016年12月から16520が目立った上昇となって以降、相場差がそれ以前よりもさらに大きくなった傾向がありました。
16520黒文字盤は2017年9月に200万円以上という水準に到達していましたが、その際16523は100万円ぐらいで狙うことができたのです。
2017年において16520は派手に動いていた一方、16523の値動きはほぼ無く、やっと値上がりしたと感じられたのは11月になってから。その際、16523のボトム価格は110万円台となったのです。
そんな16523ですが、じわじわと値動きをした結果、2019年10月には150万円台という水準に達していました。
この際、16523全体のボトム価格は約151万円だったのですが、それは白文字盤。通常、人気文字盤は決まっている傾向があるため、ボトム価格の文字盤色もおおよそ決まっている傾向があるのですが、16523に関してはその限りではありません。
そのため、時期によってボトム価格の文字盤色は異なり、現在は黒文字盤がボトム価格となっている様子です。
現在、黒文字盤のボトム価格は約142万円なのですが、この個体は飛び抜けて安いといえます。この個体以外での黒文字盤ボトム価格は約159万円。その他文字盤色のボトム価格は、グレー文字盤が約161万円、シャンパン文字盤が166万円です。
こういったことを考慮すると、16523は値上がり2019年よりも値上がり傾向だといえるため、今回は、白文字盤における2019年との比較を行いたいと思います。
白文字盤は2019年において、特に値上がり傾向だったのですが、現在どのような水準になっているかというと、約165万円という状況です。
これは、2019年10月水準より約13万円高いわけですが、2019年10月水準は「値下がり傾向」ではありませんでした。
2019年10月頃というと、下落トレンドがあったため、「値下がり」という印象ですが、16523白文字盤についてはそうなっておらず、「ずっと上昇」という様子だったのです。
ですから、2019年10月⇒2020年10月の動きは、はっきりとした値上がりだといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年10月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 白文字盤 16523 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥1,513,080 | ¥1,650,800 | 137,720 | 109.10% |
16523の値動きは、『数ヶ月で数十万円』というような動きではないため、派手とはいえませんが、下落トレンド時でもじわじわと値上がりするなど「着実に動いている」印象があります。
ボトム価格が、時期によってシャンパン文字盤、グレー文字盤、白文字盤、黒文字盤と異なるように、相場見極めが面倒な傾向もありますが、おおよその場合、じわじわと値上がり傾向だといえます。