ノーチラスといえば、ここ3年ぐらいの間で「デイトナのライバル」といえるほどの存在感となりましたが、その初代である3700は中古市場で見かけることは少なく、まさに幻のモデルという印象があります。
筆者が初めてノーチラスを購入したのは2002年でありますが、ノーチラスが不人気だった当時でも3700はあまり見かけることがなく、入手難易度が高い一本だった記憶があります。
そんな3700ですが、SSモデルについては数年前の段階から1000万円以上という水準になっていました。
その一方で、コンビモデルとなるとその相場はそれほど高くなく、2018年1月において324万円という水準。当時SSは700万円台だったため、半値程度といえる状況だったのです。
そんなコンビの3700ですが、今、中古が出現している状況となっています。ここのところの登場頻度は1年に1本程度。SSやYG含めた3700全体としても1年に2本ぐらいといったところだといえます。
では現在、この3700コンビモデルはどういった水準になっているかというと、なんと918万円という状況。これは、前回お伝えした2018年1月水準を594万円も上回る価格であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年1月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 3700/1JA |
中古 | 2年 9ヶ月 |
¥3,240,000 | ¥9,180,000 | 5,940,000 | 283.33% |
2018年1月と今とでは、ノーチラスの相場は大きく変わったといえますから、この3700コンビが300万円台⇒900万円台となったのも、そういったことを考慮すると、意外と驚きには値しないといえます。
実際、2018年水準では、年次カレンダーの5726/1A-010は約538万円、クロノグラフの5980/1A-014は878万円という水準です。
現在、5980/1A-014は1100万円以上となっており、5726/1A-010に関しても一時1000万円を超えていました。
ですから、そのような動きを考慮すると3700という初代ノーチラスがこのような値動きとなったのは違和感がなく、むしろ、初代なのに意外と変化していないという印象にもなるかもしれません。
もちろん、これはコンビモデルにおいての評価。ノーチラスでも、デイトナでもコンビ人気は高くないといえるため、価格序列においても、値動き的にもSSやYGモデルよりも弱い傾向があります。
しかし、それでも3700コンビは、2018年1月から2020年10月にかけて「300万円台⇒900万円台」という変化となっているわけで、「初代」という人気要素と「コンビ」という不人気要素のバランスを考慮すると、落とし所ともいえる変動額なのかもしれません。