2017年頃から、特に人気が高まったと感じる存在が、パテックフィリップノーチラスと、このロレックスGMTマスター2だといえます。
それらに共通するのは、2000年代前半頃までは不人気といったキャラクターだったのが、2000年代中盤から、逆に人気モデルとなった点です。
そして、そのような人気度が2017年頃からさらに強まったというのも同様なのです。
そんなノーチラスとGMTマスター2ですが、現在の様子はどうかというと、あまり元気がないといったところ。
パテックフィリップでは、ノーチラスよりもアクアノートの値動きが目立ち、ロレックスではGMTのマスター2よりもサブマリーナのほうが値動きしているという状況となっているわけです。
ただ、GMTマスター2には、強い要素を持つ存在もあるため、もしかしたらそういたことに該当するモデルは「サブマリーナよりも強い」といった様子を見せているかもしれません。
というわけで、今回は「評価される」要素を持つGMTマスター2について考察しようと思うのですが、今回取り上げるのは、16710であります。
ロレックスといえば、同じモデルでも「特に評価される」要素がありますが、それらは年式だったり、他とは微妙に違う仕様、といったものであります。
そしてそれは、すべてのモデルに該当するわけではなく、特定のモデルに限られる傾向があり、その大半が5桁世代のスポーツモデルだといえます。
特に有名なのが、5桁デイトナ、GMTマスター2の16710、サブマリーナの16610LV。
デイトナには、
といったモノがレア要素として該当。
GMTマスター2には、
などが該当。
16610LVには、
などが有名です。
そして、そういったことに該当するモデルは、同じ型番でも「特に高い」といった傾向があり、その時点でのボトム価格個体と比べて、数十万円以上高いということが当たり前となっています。
今回お伝えするのは、16710のZ番ですが、これは最終年式の1つ前というレア要素に該当します。
デイトナでいうところのA番のような存在ですが、最終年式ほど高くないものの、それなりに高いというポジションであるわけです。
16710(青赤)Z番の2017年1月水準は約89万円だったのですが、当時16710(青赤)自体のボトム価格は60万円台でした。ですから、通常個体よりも「30万円近く高い」というのが、2017年におけるZ番の評価だったということになります。
では今、このZ番の16710はどうなっているのでしょう。
その答えは、約127万円ということになるのですが、これをどうやって捉えるかというと、「以前と比べると弱い」という感想になるといえるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年1月 の安値 |
2021年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター2 青赤ベゼル (Z番) 16710 |
中古 | 4年 0ヶ月 |
¥896,400 | ¥1,278,000 | 381,600 | 142.57% |
現在、16710(青赤)のボトム価格は約109万円という状況。ですから、青赤ベゼルにおける、Z番と16710ボトム価格との差は18万円程度ということになります。
2017年1月時点では、その差は30万円近いという状態だったわけですから、現在の18万円程度という差は、以前よりも「差がなくなった」といえるでしょう。
また、この16710のZ番には気になる点がもう1つあります。
それは、16610LVとの価格序列なのですが、2017年時点では、16610LVのボトム価格と比べた際、16710(青赤)のZ番のほうが高いという傾向がありました。
16610LVには、先の通り、フラット4など、特に評価される要素がありますが、そういったことを持ち合わせていない通常の個体の場合、16710のZ番よりも安かったのです。
しかし、今では16610LVのボトム価格は146万円という様子。つまり、16710は「青赤」という人気要素かつ、「Z番」を備えても16610LVに勝てていない状況というわけです。