「ロレックスかブルガリか」といわれたていたぐらい、存在感があった90年代のブルガリ。
その頃、最も人気があるモデルという印象だったのがスポーツクロノですが、その新品実勢価格は、当時プレミア価格として大人気的存在だったエクスプローラー14270を上回っていたぐらいだったのです。
そして、そのような価格帯でもつけている若い人をそれなりに街中でも見かけ、実際筆者もその姿を見て「羨ましい」と思った記憶があるわけです。
そのような経緯を踏まえて、この金色に輝くYGのスポーツクロノCH35Gを見ると「憧れのさらに上」といった印象になるわけですが、実際2000年代前半という時代までは本当にそういった感覚だったと思います。
しかしながら、そんなCH35Gは2000年代後半には全く打って変わって「ポーンと買えそう」な価格帯に変化。
2008年といえば、リーマンショックが起こりましたが、その影響を受け、2008年秋頃からは25万円以下という水準で中古が売られていたのです。
実は筆者が、最初にリーマンショックの影響に気づいたきっかけが、このCH35Gだったのですが、当時24万円程度といった金額で売られているのを見て、「絶対安い」と思ったのです。
これをきっかけとして、その他の腕時計の価格を調査したところ、「全体的に安くなっている」ことが判明。リーマンショックの凄まじさが身にしみた出来事でした。
その頃、筆者はこのCH35Gを実際に買おうと思ったのですが、相場を調べていくうちに他のモデルと迷います。
結果的には、青サブ16613を買ったのですが、青サブ購入後に「やっぱりYGのCH35Gほうがお得感があったかも」と思ったほどでした。
ただ、ブルガリのCH35Gはその後目立った上昇をすることがなかったため、結果的にはサブマリーナを選んで正解だったわけです。
実際、このCH35Gは、2016年8月の段階でも約32万円という中古水準でした。2008年の年末⇒2016年8月という期間では、数十万円単位で値上がりしているモデルが多々あるため、CH35Gは拍子抜けするほど値動きしなかったといえます。
そして、そのような「動かない」という傾向はごく最近まで同様で、長きに渡って30万円台で購入可能という状態が続いていました。
しかし、今そんなCH35Gに12年ぶりの大きな変化が生じているのです。
現在、CH35Gのボトム価格は約46万円という水準にまで上昇。なんと30万円台を脱し、40万円台中盤という状況にまでなっているわけです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値 |
2021年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブルガリ
スポーツクロノ クォーツ 白文字盤 革ベルト CH35G |
中古 | 4年 5ヶ月 |
¥321,840 | ¥462,000 | 140,160 | 143.55% |
CH35Gがこのような価格帯となるのは、リーマンショック以前の時代から十数年ぶりだといえます。
アベノミクス以降でも値動きせず、長期間30万円台という水準の「最安YGモデル」という印象だったCH35Gが40万円台中盤にまで上昇したのは感慨深いということになります。
ではなぜ、これまで長期間動いていなかったCH35Gがこのタイミングで動いたのでしょう。
その答えは、ここ最近の「K18腕時計の上昇」というトレンドに他ならないといえるわけですが、金の含有量がブレスレットよりも少ない革ベルトが値動きしたというのは意外です。