カルティエのパシャといえば、昨年メンズサイズが復活したというニュースがありますが、その影響なのか、この数ヶ月ぐらいの間において、パシャの中古相場が全体的に値上がりしているという感覚があります。
特に動いているのはパシャCなのですが、これまで15万円以下という水準が目立っていた様子だったのが、今では15万円以上という価格帯が目立つように変化しています。
昨年復活したパシャは、パシャCというよりも、パシャ38mmの後継とも思われるのですが、なぜか中古相場ではパシャCの値動きのほうが目立つ傾向があります。
そして、そういった動きはクロノグラフでも同様。むしろ、クロノグラフのほうが派手に上昇しているともいえる様子であり、その現在水準はかつてよりもだいぶ高くなっています。
パシャCのクロノグラフには、97年頃に登場した白文字盤と、2000年頃に登場した銀文字盤がありますが、これらは同じ時期にラインナップされていたわけではなく、『白⇒銀』というように入れ替わるかたちとなっていました。
なお、白文字盤、銀文字盤に関係なく、パシャCのクロノグラフ相場は、3針とは異なるほど高い印象。現行時代の新品実勢価格の段階からそういった傾向があり、クロノグラフのパシャCは、2001年当時、サブマリーナ16610よりも高いぐらいの価格帯だったわけです。
ちなみに、パシャCの中古相場はリーマンショック以降、10万円台前半となっていましたが、そうだったのは3針で、クロノグラフに関しては20万円以上という水準。やはりパシャCとしては抜きん出て高かったのです。
しかし、2016年、そんなクロノグラフに異変が起こったのです。
2016年4月にこの銀文字盤、W31048M7に約15万円という個体が出現したのですが、それ以降クロノグラフはこの銀文字盤、白文字盤を問わず10万円台という中古水準となってしまったのです。
クロノグラフが10万円台という様子はその後、約3年間続き、ようやく2019年3月になって、銀文字盤は20万円台に回復しました。
その際は約21万円だったのですが、これは2016年の下落前と同じ水準だといえます。実際、2015年11月水準が21万円であるため、下落前水準にまで回復したという動きだったといえます。
そしてそれから、2年近くが経過した今、パシャCクロノグラフは再び上昇。現在水準は、なんと約26万円という状況になっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年3月 の安値 |
2021年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャC W31048M7 |
中古 | 1年 11ヶ月 |
¥216,000 | ¥261,800 | 45,800 | 121.20% |
一時は、約15万円にまで下落したパシャCのクロノグラフ、W31048M7ですが、20万円台回復後、現在では26万円程という状況になっていることに驚きます。
この26万円という中古水準ですが、どの時期に近いかというと、おそらくW31048M7が現行だった時代に近いのではないかと思います。
これまで、パシャの多くはデビュー時期に近いほど高く、デビューから時間が経つにつれて緩やかに下落するという印象がありましたが、このW31048M7の今回の動きはそういったことを打ち破った事例だといえるでしょう。