この5711/1A-010を最初に記事でお伝えしたのは、2017年4月のことでした。
その際、約379万円という水準だったのですが、これは2015年4月水準と比べて81万円ほどの上昇という値動きだったわけです。
2017年春当時、370万円台という水準になった5711/1A-010を「高くなった」と感じましたが、それから4年近くが経過した今となっては、「凄く安い」となるわけで、「379万円で買っておけばよかった」という感想になることでしょう。
ちなみに、この5711/1A-010、-001のほうも含めて2017年4月まであまり値動きしない傾向があったといえ、2017年時点では少なくとも2年以上に渡って「300万円前後」といった水準から変わらないという傾向がありました。それに加え、その時点での「ノーチラスの価格」という印象からして、300万円前後といった水準は割高感もあったといえます。また、ステンレスの人気モデルとしても、300万円という価格帯は「高い」という印象だったでしょう。
そのようなことから、5711/1A-010は2017年までにおいて、評価しづらい側面があったわけで、筆者としても、なんとなく文章を書けず、2017年になるまで記事化していませんでした。
しかし、大幅な値動きをした2017年4月以降、この5711/1A青文字盤は、デイトナを凌ぐほどの値動きをする存在にまで変化。それまでもノーチラス人気はありましたが、2017年以降の存在感は、「憧れ腕時計の最高峰」というように変わったといえます。
そして2017年から2019年までの間、この5711/1A-010は、300万円台⇒400万円台⇒500万円台というように価格ステージが変わり、2019年8月にはついに800万円台にまで上昇。その際、858万円というボトム価格となりました。
けれども、その後は下落トレンドが発生したことにより、この5711/1A-010は値下がり傾向に変化。そして、2020年4月の新型コロナによる緊急事態宣言時には、600万円台にまで下がってしまいました。
緊急事態宣言が解除された後も、5711/1A-010の相場は回復せず、長期に渡って600万円台という水準を維持。それは、2021年になっても変わらず、もはやノーチラス人気は弱くなったのか、とすら思えるような状態だったのです。
しかし、そんな5711/1A-010は1月の終わり頃になると、急激に上昇。その際、700万円台を通り越して、600万円台⇒800万円台に回復するという値動きを見せたのです。
そして今、そんな5711/1A-010は、さらに凄まじい上昇という動きを見せている様子です。
現在ボトム価格は、なんと1485万円という状況。1月時点では約800万円だったため、これは『1ヶ月で約684万円の上昇』という値動きになります。
もはや、この1ヶ月で起こった変動は、変動額そのものが、ついこの間までの本体価格であるという状況なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年1月 の安値 |
2021年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5711/1A-010 |
中古 | 0年 1ヶ月 |
¥8,008,000 | ¥14,850,000 | 6,842,000 | 185.44% |
5711/1A-010がこのような値動きとなっている理由こそ、生産終了という要素でしょう。
2006年に登場した5711/1A-001を経て、2010年に一部変更となった5711/1A-010ですが、今年ついに青文字盤の5711/1Aが生産終了ということになった模様です。
この1年ほど、あまり値動きの派手さがなかった5711/1A-010ですが、人気モデルであることは確かであるため、生産終了という事態になると値上がりするのは自然だといえます。
とはいうものの、その上昇幅は凄まじく、これまでの「生産終了によって値上がりした」という他のモデルと比べても、例がないほどの上昇だといえます。