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現在相場考察

いい時計なのに安い、アップストリームGOA27050

2021年3月1日更新
ピアジェのアップストリームについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年9月の安値と2021年3月の安値を比較し現在相場を考察。この3年6ヶ月での変動は¥0だった。

アップストリーム GOA27050についての考察(2021年3月)

2000年代後半ぐらいから、自社製ムーブメントを開発・採用するブランドが増えてきましたが、それよりも以前の段階から、マニュファクチュールとして存在するブランドのほうがよりブランド力があるように思います。

そういった意味では、昔からの数少ないマニュファクチュールは価値あるブランドといえるわけで、中古相場もそれなりに評価されているという感覚になるでしょう。

しかしながら、実はマニュファクチュールということが、中古相場で評価されるといったことはあまりなく、実際、ジャガールクルトピアジェといった、昔から存在するマニュファクチュールの評価はそれほど高くありません。

これら2つのブランドは、マニュファクチュールの中でも、ムーブメント提供実績や機械のラインナップ数に関して、他を圧倒しているともいえる存在。マニュファクチュールといわれているブランドでも、それほど自社開発ムーブメントの数を持っていないメーカーもあるわけですから、それらと比べて、JCLやピアジェ「ホンモノ感が強い」ということもできるでしょう。

けれども、そのような側面があまり評価されることはなく、特にピアジェびっくりするぐらい評価されていないといえます。

そういった指摘は、数年前からしていたのですが、2021年現在でもピアジェの評価は大きく変わっていません。

実際、このアップストリームの3針自動巻モデルは、2017年9月水準と現在水準が同じといった状況。しかも、30万円台という価格帯で購入可能なのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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ピアジェ PIAGET アップストリーム 27050 メンズ 腕時計 デイト シルバー 文字盤 オートマ 自動巻き ウォッチ

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年9月
の安値
2021年3月
の安値
変動額 残価率
ピアジェ
アップストリーム
GOA27050
中古 3年
6ヶ月
¥398,000 ¥398,000 0 100.00%

ピアジェの自社製ムーブメントは多岐にわたるわけですが、その中にはクォーツが含まれるため、それに該当するモデルの評価が高くないということは仕方がない部分があるといえるかもしれません。

しかし、このアップストリームに搭載されているのは、自動巻ムーブメント。つまり、普通であれば、“人気があるはずの存在”なのですが、今でも30万円台で購入可能であるわけです。

ここ数年、高級腕時計の相場は上昇しているといった印象があり、「買えない」と言っている方がいらっしゃいますが、そういった方にこそ、このアップストリーム最適な選択だと思います。

とはいうものの、本当にそのような感覚でこのアップストリームを買う人がいたならば、2017年と同じ水準ということは考えにくいわけで、依然として需要が低いといった傾向があるのでしょう。

このアップストリームという存在は、本来雲上スポーツに匹敵する立ち位置であるわけですが、今の水準では、自社製ムーブメントの自動巻モデルとして最安値といったぐらいの価格帯となっているわけです。

ムーブメントといった側面から、腕時計を評価するという文脈でも、不思議とピアジェが取り上げられることは少なく、このアップストリームに搭載されている504Pというムーブメントは誰も知らないといっても過言ではありません。

結局のところ、いつの時代でも「いい時計なのに安い」といった存在はあるわけですが、そういったものが必ずしも評価されるというわけではないようです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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