タンクアメリカンという存在は、カルティエの最高級モデルという印象があるわけですが、実際その中古相場も、他のカルティエと比べて抜きん出て高い傾向があるといえます。
その価格帯の高さの理由は、ケース素材がK18かプラチナのみということが大きいのですが、単にK18だから高いというだけではなく「最高級モデル」ということが評価につながっていると感じます。
とはいうものの、タンクアメリカンの相場の把握するには、他の腕時計よりもやや厄介という側面があり、その評価がどのような状態なのかを判断するのは難しいかもしれません。
それはなぜかというと、一見しただけで、男性用サイズなのか女性用なのかが分かりづらいということや、ムーブメントが自動巻、クォーツなのかが分からないとだと思います。
実際、SMのクォーツという組み合わせが、タンクアメリカンとして最も安い組み合わせであるわけですが、これだと現在でも40万円台前半という価格帯で購入可能です。
もちろん、これもK18の腕時計ですから、この40万円台という価格帯を見たならば、「K18としては最安値レベルの水準」と思ってしまうでしょう。
しかし、それがLMサイズの自動巻となったなら、全く異なる水準に位置するわけで40万円台で購入可能とはなりません。
ではいくらなのかというと、その答えは現在、約76万円となります。
ただし、この現在水準、過去との比較では下落傾向といった様子。実際、2017年8月水準と比べると、約8万円ほどの下落状態であるわけで、K18腕時計の上昇が目立つ今において、値下がりしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年8月 の安値 |
2021年3月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
タンクアメリカン W2605556 |
中古 | 3年 7ヶ月 |
¥849,800 | ¥765,000 | -84,800 | 90.02% |
なお、このタンクアメリカンには、このLMサイズのWG自動巻以外にも、YGやプラチナといったバリエーションがあります。
プラチナの売出しは現在無いようですが、これまでの事例ではおおよそ110万円台という感覚があります。
また、LMサイズよりもさらに大きなXLサイズがあり、そちらのWGモデル、W2609956は現在120万円となっています。
ちなみに、LMサイズでもクォーツムーブメントのクロノグラフモデルは評価が高くないようで、これまでの事例では50万円台といった様子が見られます。
タンクアメリカンは、シンプルな見た目が魅力的である一方、同じような見た目でも、LM、XL、WG、プラチナ、などといった差があるため、相場が分かりづらいという傾向があります。
そういったことが影響してか、魅力的な1本であるにも関わらず、2017年との比較で下落状態。このところあまり評価されていないのかもしれませんが、良い腕時計をお得に買いたいという観点では、現在貴重な選択肢の1つだといえると思います。