エアキングといえば、2016年にスポーツモデルへと変貌を遂げたわけですが、今年でそれから早5年の月日が経過。もはや「スポーツ系」という印象が定着したように感じます。
ただその一方で、この14000の「ピンクアラビア文字盤」を見ると、90年代後半といった時代の記憶が蘇ってくるような感覚があり、当時流行っていた高級腕時計に対する懐かしい感覚を思い出すような気がします。
その頃、大人気だったのがエクスプローラーの14270だったわけですが、そちらがプレミア価格だった一方、エアキングの実勢価格は20万円台という様子でした。
これが、ロレックスとしては最も安価な存在で、まさにエントリーモデル。エクスプローラーのように「憧れの人気モデル」というキャラクターではありませんでしたが、安価な価格帯から、多くの人に「初めての高級腕時計」として選ばれるような感覚もあり、特にエクスプローラーに雰囲気が似ているアラビア数字の文字盤が人気だったという傾向がありました。
14000の中で一番人気だったといえるのは、アラビア数字の青文字盤ですが、それがエクスプローラーに最も似ている見た目だったといえます。
その一方で、同じアラビア数字でも、このピンク文字盤はエクスプローラーの黒文字盤とは明らかに異なるわけですが、このサーモンピンクの色合いがそれなりにインパクトがあり、隠れた人気モデルだったと感じます。
そのため、筆者はこの14000のピンク文字盤を見ると「懐かしい!」と思ってしまうわけです。
そして今、この14000ピンク文字盤を見ると、90年代後半頃に現行だった時代のモデルの独特さを感じ、かつてよりも魅力的に見えます。また、当時のRGモデルに採用されていたピンク文字盤や、90年代後半タグホイヤーに積極採用されていたピンク文字盤などとともに、14000からはある種の懐かしさをも感じるわけです。
このようなことから、ピンク文字盤の14000には、以前よりも魅力が増している感じられるわけですが、それは相場を見ると、実際に評価されているということが可視化できます。
なぜなら、この14000のピンク文字盤は、現在約39万円という水準に達しているからなのですが、これはかつてよりも随分値上がりしていることはもちろん、14000として相対的に高い価格帯となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年3月 の安値 |
2021年3月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エアキング ピンクアラビア文字盤 14000 |
中古 | 10年 0ヶ月 |
¥181,860 | ¥398,000 | 216,140 | 218.85% |
なお、この14000ピンク文字盤のこれまでの値動き変遷をお伝えすると、
ということになります。
14000に変化が起こったのは、2020年9月のことだったのですが、その際、青アラビア文字盤が30万円台となっていました。
ちなみに、現在における14000全体としてのボトムは銀バー文字盤の約30万円という水準ですが、14000全体としても30万円以上という水準になっているわけです。
そして、このピンクアラビア文字盤に関してはすでに40万円近いともいえる状況です。
実は最近まで約37万円という個体があったのですが、そちらは記事準備中に売り切れ。このような短期間で売切れとなっていることからも、14000ピンク文字盤は、それなりな勢いを感じる様子だといえます。