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現在相場考察

値下がり傾向、パシャ42mm W31072M7

2021年3月25日更新
カルティエのパシャ42mmW31072M7について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年12月の安値と2021年3月の安値を比較し現在相場を考察。この1年3ヶ月での変動は¥-18,001だった。

パシャ42mm W31072M7についての考察(2021年3月)

昨年2020年に男性用モデルが復活したというニュース性があるパシャですが、そのことが影響してか、2020年秋頃からパシャCの値動きが目立っている様子があります。

パシャCの主だった水準は、長い間15万円以下といった価格帯だったといえますが、今となっては10万円台後半というモデルが多数派になっている状況となっています。

復活したパシャは、特に「パシャC」と名乗るわけでも無ければ、「パシャCの後継モデル」とされているわけでもないため、パシャC以外のパシャも値動きしているのではないかと推測できるでしょう。

ということで、今回は、パシャCではないパシャ、としてパシャ42mmを取り上げたいと思います。

このパシャ42mmは、パシャの中でも「高級」を担うモデルなのですが、2005年にパシャ38mmの後継としてデビューしています。

見た目としては、2020年に登場した現行パシャに最も近いと感じるわけですが、なぜかというと「回転ベゼルではない」からだといえます。

パシャダイバーズウォッチというキャラクターですから、「オリジナル」と呼ばれる38mmなどには「回転ベゼル」が装着されています。

レディースの場合、回転ベゼルが無いモデルが多数派だといえますが、男性用だと回転ベゼルを装着するもののほうが多いといえるでしょう。

そういった意味では、回転ベゼルを持たない男性用は、現行を除くと、パシャCとこのパシャ42mmぐらいしかないわけで、パシャCが値上がりしたならば、この42mmも同じような値動きとなっていても不思議でないといえます。

では実際のところ、この42mmはどういった値動きをしているのかというと、その答えは、なんと「値下がり」であります。

前回お伝えした2019年12月水準が約37万円だったのに対し、現在水準はそれよりも約1.8万円下落しているという状況。また、2018年10月においては、約43万円というボトム価格だったわけですから、2年前水準と比べると、更に値下がりしているということになります。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年12月
の安値
2021年3月
の安値
変動額 残価率
カルティエ
パシャ42mm
W31072M7
中古 1年
3ヶ月
¥378,000 ¥359,999 -18,001 95.24%

このパシャ42mmは、一見するとシンプルな腕時計という印象になるため、パシャの高級ライン」ということが認知されていないのかもしれません。

実際、この42mmは高級ラインだけあって、ジャガールクルトムーブメントが搭載されているわけですが、約35万円という現在水準を見ると、自動巻JLCとしては最安値レベルなのではないかと思うほど安い水準となっています。

JLCには古い年式の安価な個体もあるため、一概に自動巻最安値とはいえませんが、90年代以降といった、比較的近代的なモデルの中では、自動巻JLC最安値といえるぐらいの水準なのではないでしょうか。

そういった意味では、約35万円で購入可能という状況の今、このパシャ42mmは興味深い1本だと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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