「古いほうが評価される」という傾向があるパネライですが、その評価基準となる「古さ」はいつを指すかというと、90年代後半以前だといえます。
この年式で主に評価されているのがプレリシュモンですが、それを筆頭にPreA(1997年製)、トリチウム文字盤(A番=1998年製、もしくはB番=1999年製の一部)などが高い水準だといえます。
そして、それ以降の年式となると、これら90年代世代に“近いほうが評価が高い”といえるわけで、実際、2番と112番では2番のほうが高いという傾向があります。
2番は通常裏ブタであるのに対し、112番は裏スケ仕様。ですから112番のほうが“進化している”わけでありながら、これまでずっと2番のほうが高い傾向にあるというのは、やはりPreA世代ということが評価されているのでしょう。
また、0番については2番や112番よりも安い傾向だったのですが、なぜ「0」という型番なのに安価かというと、登場したのが2004年だからです。
1番、2番などがPreAの1997年デビューなのに対し、当時欠番だった0番と5番は2004年に登場。つまり、新しい世代というわけです。
ちなみに、1番や2番は1997年から2001年までの製造ですが、0番は2004年から2015年までの製造であるわけで、「パネライとしては近代的なモデル」という部類だといえます。
とはいえ、近頃では1番、2番といったPreA世代の評価が必ずしも高いというわけではなくなっており、99年以降のルミノバ文字盤の場合、裏スケ世代と評価が変わらないということにもなっています。
その筆頭といえるのが、まさにこのPAM00003なのですが、これはまさに1番や2番と同様の世代。つまり、PreAから2001年までの製造であるわけです。
このような年式であるにも関わらず、現在この3番は約38万円というボトム価格となっており、まさにこの後継モデルであるPAM00113とほぼ同じという様子であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の安値 |
2021年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00003 |
中古 | 4年 5ヶ月 |
¥429,840 | ¥388,000 | -41,840 | 90.27% |
前回この3番をお伝えしたのは2016年11月とだいぶ前のことであるのですが、その際は約42万円でした。
2016年11月といえば、まさに『2016年秋の値下がりトレンド』禍にあったわけですが、そのような時期でも40万円台前半というのがこの3番の評価だったわけです。
44mm手巻きパネライは、2013年以降、30万円台で「安い」という感覚がありましたが、この3番のような年式の場合、30万円台となることはあまり見かけませんでした。
しかし今、全体的に腕時計が高いという感覚であるにも関わらず、この3番は、2016年水準以下となっているわけです。ですから、3番のような比較的古い年式のモデルでも30万円台後半で購入可能ということはパネライ相場の感覚が以前と変化したように感じます。