2020年9月にサブマリーナがモデルチェンジされてから、旧6桁は「特異な世代」だったと認識できることを指摘している筆者ですが、ここにきて、そういった印象はさらに強くなったといえます。
先日発表されたエクスプローラーは、まさに5桁世代への原点回帰。同時に発表された、GMTマスター2の3連SSモデルを含め、今のラインナップは、5桁世代をそのまま新しくしたという印象だといえます。
そうなると、「旧6桁世代」のイレギュラーさが際立ってくるわけで、生産終了となった今、高く評価されても不思議ではありません。
とはいうものの、そういった“イレギュラーさへの評価”は、生産終了からある程度、時間が経過した頃に高まるといった傾向もあるわけで、生産終了発覚後、すぐのタイミングでそうなるとは限りません。
実際、サブマリーナの116613LB前期は、長い青サブ史の中で、非サンレイ文字盤という異色な内容となっているわけですが、現在の様子を見ると特に評価されているとはいえません。
では、生産終了が発覚した、エクスプローラーの214270はどうなのでしょう。
その答えはというと、なんと、ものすごい上昇という様子。現在ボトム価格は133万円という水準なのですが、これは今年1月、すなわち3ヶ月前と比較して約55万円もの値上がり状態であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年1月 の安値 |
2021年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エクスプローラー (前期文字盤) 214270 |
中古 | 0年 3ヶ月 |
¥773,000 | ¥1,330,000 | 557,000 | 172.06% |
なお、現在この214270、ボトム価格が非常に不安定な状況となっています。
不安定といっても“上振れ”といった感覚なのですが、記事準備中にどんどんボトム価格が上昇するという現象が発生。最初は、約98万円という水準をお伝えしようとしていたのですが、1日2日といった短期間でボトム価格が100万円以上という状況になってしまったわけです。
ただ、興味深いのは、214270全体のボトム価格にあるのが「前期文字盤」という点です。
「6桁世代ならでは」というイレギュラーさを求めるのであれば、「前期」のほうがよりマッチするといえるのですが、214270としては『前期よりも後期のほうが高い』様子となっています。
こういった価格序列は、以前から同様であるため、今特に変化しなくても不自然ではないのですが、新型や5桁と、「最も似ていない」といえる214270前期文字盤の評価が、後期よりも高まっても不思議ではないと考えます。
ただ、後期文字盤を例としても、そのケースサイズは39mmであることに変わりありません。今回の新型は、4桁や5桁と同様、36mmに戻ったため、新旧問わず、39mmというケースサイズの214270は、際立った存在という印象になるかもしれません。
ちなみに、この214270、デビュー当初から、「全体的なバランスが5桁と大きく異る」といった指摘がありますが、そのような観点からすると、116000の日本限定は「5桁エクスプローラーの正常進化」といった感覚がありました。
そして、その日本限定は116000は、これまで214270よりも遥かに高い中古水準となっていたわけですが、この214270が急激に上昇した今、どのような水準かというと、115万円というボトム価格となっています。
つまり、214270の現在水準は、116000日本限定を大きく超えて超えてしまったわけで、ちょっと前では考えられないぐらい、高い価格帯となっているのです。