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現在相場考察

以前よりもかなり高くなった、コンプリケーション5085/1A-001

2021年6月2日更新
パテックフィリップの5085/1A-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年3月の安値と2021年6月の安値を比較し現在相場を考察。この1年3ヶ月での変動は¥626,900だった。

コンプリケーション 5085/1A-001についての考察(2021年6月)

90年代後半、2000年代前半といった時代に現行だった5085/1Aは、末尾の「A」の通り、ステンレスのパテックフィリップであります。

「SSのパテック」という存在は、ノーチラスアクアノート以外では、稀であるのですが、それにコンプリケーションが備わっているというのは、なお「レア」ということになるでしょう。

ただ、この5085/1Aに対して、そういったレアキャラクターなイメージは、これまで持たれていなかったといえ、中古相場を見ても「大きく変わらない」という傾向がありました。

一応、2016年⇒2018年という期間では値上がりしていたものの、2018年以降は「ほぼ変わらない」という状況が続いていたのです。

この5085/1Aは、2016年6月時点で178万円という水準でしたが、2018年1月には205万円になっています。けれども、その後は大きな変化がなく、前回お伝えした2020年3月時点でも約204万円という水準だったわけです。

しかし今、そんな5085/1Aに異変が起こっている様子があるのです。

現在、この5085/1A-001は、約267万円という状況になっているのですが、これは2020年3月水準よりも約62万円高。その結果、以前よりも「かなり高くなった」と感じられる価格帯になったと感じます。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年3月
の安値
2021年6月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
コンプリケーション
5085/1A-001
中古 1年
3ヶ月
¥2,046,000 ¥2,672,900 626,900 130.64%

なお、この5085/1Aには、兄弟的なモデルとして、5055や5054といった存在がありますが、それらと比べて、今回の5085/1A水準には「史上最高値レベル」という“違い”があります。

特に5055と比べるとわかりやすいのですが、5055は2015年頃の段階で250万円前後といった水準だったのが、2018年頃には200万円程に下落。その頃から、この5085/1Aと同じような水準となっていました。

そのような経緯がある5055も、近頃は260万円近辺といった相場になっているわけですが、この5085/1Aについては、何が違うかというと、過去にそういった水準“ではなかった”という点です。

先のように、5055は2015年頃において250万円前後といった水準でしたが、それと同じ時期、この5085/1A170万円程度といったところでした。

ですから、5085/1Aにとっての260万円台「初」だといえるわけで、200万円前後という水準だった過去相場と比べると、「かなり高くなった」と感じられるわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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