シャネルのJ12には、様々な種類がありますが、「ホワイトセラミックのメンズ3針」という内容のH0970は、これまで「相場全体が高いときには高く、安いときには安い」という傾向がありました。
例えば、リーマンショック以前の2008年前半までといった時代は、全体的に腕時計が高かったわけですが、その頃、このH0790は新品実勢価格が50万円台だったと記憶しています。
それがリーマンショック以降は、新品実勢価格が30万円台前半にまで下落。なぜ、そんなことを覚えているかというと、当時友人から、このJ12の購入について相談されたからです。
そして、そんなJ12のH0790は、アベノミクス以降にも目立った上昇という様子を見せていました。
2010年8月中古水準は約32万円といった状況だったのですが、2015年には中古でも約41万円となっていたのです。
しかしながら、そんなH0970は2016年以降、「かつてとは違う」といった様子へ変化。「相場全体が高いときに高い」というわけではなくなってしまいました。
特に2019年1月水準は驚く様子だったのですが、なぜかというと、約23万円という状況だったからです。
このH0790は2016年の下落トレンド時にも、23万円程度といった様子を見せたことがありましたが、2017年になると28万円程度にまで回復していたのです。
2019年1月といえば、まさに「2019年上半期の目立った上昇」というトレンド真っ只中。ですから、数多くの腕時計が上昇していたわけですが、そういった中、このJ12のH0790は2016年水準並に下落といった様子でした。
また、2010年に約32万円という水準だったことを考慮すると、なおさら2019年上半期らしくない値動きだったといえます。
そして、その後もH0790は特に目立った値動きとはならなかった様子。おおよそ20万円台前半や25万円前後といった感覚でした。
しかし、そんなH0970は今、「久々に上昇」という様子を見せています。
現在水準は、なんと約29万円となっているのですが、これは2016年以降の水準としては「最も高い」といえる水準かと思います。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年1月 の安値 |
2021年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
シャネル
J12 H0970 |
中古 | 2年 5ヶ月 |
¥239,760 | ¥296,780 | 57,020 | 123.78% |
このH0970は、2015年に40万円台という中古水準でしたが、2016年に約23万円に下落。それ以降回復したものの、2016年以降において、最も高い状況だったのが2017年12月の約28万円でした。
そして、その後、再び約23万円という水準に下落したため、長らくH0970が20万円台後半となることはなかったわけで、今回の20万円台後半という水準は「3年半ぶり」ということになります。
もちろん、現在水準をもってしても、2015年よりも安価ということに変わりないわけですが、2019年上半期という時期に約23万円にまで下落したH0970が、20万円台後半に回復したというのは、インパクトがある値動きだと思うのです。