腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

20万円台後半という水準は3年半ぶり、シャネルJ12H0970

2021年6月16日更新
シャネルのJ12H0970について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年1月の安値と2021年6月の安値を比較し現在相場を考察。この2年5ヶ月での変動は¥57,020だった。

J12 H0970についての考察(2021年6月)

シャネルJ12には、様々な種類がありますが、「ホワイトセラミックのメンズ3針」という内容のH0970は、これまで「相場全体が高いときには高く、安いときには安い」という傾向がありました。

例えば、リーマンショック以前の2008年前半までといった時代は、全体的に腕時計が高かったわけですが、その頃、このH0790は新品実勢価格が50万円台だったと記憶しています。

それがリーマンショック以降は、新品実勢価格が30万円台前半にまで下落。なぜ、そんなことを覚えているかというと、当時友人から、このJ12の購入について相談されたからです。

そして、そんなJ12のH0790は、アベノミクス以降にも目立った上昇という様子を見せていました。

2010年8月中古水準は約32万円といった状況だったのですが、2015年には中古でも約41万円となっていたのです。

しかしながら、そんなH0970は2016年以降、「かつてとは違う」といった様子へ変化。「相場全体が高いときに高い」というわけではなくなってしまいました。

特に2019年1月水準は驚く様子だったのですが、なぜかというと、約23万円という状況だったからです。

このH0790は2016年の下落トレンド時にも、23万円程度といった様子を見せたことがありましたが、2017年になると28万円程度にまで回復していたのです。

2019年1月といえば、まさに「2019年上半期の目立った上昇」というトレンド真っ只中。ですから、数多くの腕時計が上昇していたわけですが、そういった中、このJ12のH0790は2016年水準並に下落といった様子でした。

また、2010年に約32万円という水準だったことを考慮すると、なおさら2019年上半期らしくない値動きだったといえます。

そして、その後もH0790は特に目立った値動きとはならなかった様子。おおよそ20万円台前半や25万円前後といった感覚でした。

しかし、そんなH0970は今、「久々に上昇」という様子を見せています。

現在水準は、なんと約29万円となっているのですが、これは2016年以降の水準としては「最も高い」といえる水準かと思います。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります
☆良品【CHANEL】シャネル J12 白セラミック H0970 自動巻き メンズ

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年1月
の安値
2021年6月
の安値
変動額 残価率
シャネル
J12
H0970
中古 2年
5ヶ月
¥239,760 ¥296,780 57,020 123.78%

このH0970は、2015年に40万円台という中古水準でしたが、2016年に約23万円に下落。それ以降回復したものの、2016年以降において、最も高い状況だったのが2017年12月の約28万円でした。

そして、その後、再び約23万円という水準に下落したため、長らくH097020万円台後半となることはなかったわけで、今回の20万円台後半という水準は「3年半ぶり」ということになります。

もちろん、現在水準をもってしても、2015年よりも安価ということに変わりないわけですが、2019年上半期という時期に約23万円にまで下落したH0970が、20万円台後半に回復したというのは、インパクトがある値動きだと思うのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。