今年に入ってから、1000万円以上という水準になる人気モデルが増えましたが、そういったことは、主に2月や3月といった時期に起こっていた印象です。
実際、このデイトナ116506も2月に900万円台だったのが、3月に1000万円以上という水準に到達。その際、1155万円というボトム価格に達していました。
また、ノーチラスの5711/1A-010が1000万円以上となったのは2月。1月時点で800万円台だったのが、2月に1485万円という状況になっていたわけです。
これらモデルに共通するといえるのは、1月2月といった時期に『回復⇒上昇』となった後、2月3月頃『1000万円以上』という水準に到達したということだといえます。
しかしながら、そういった“1000万円超え”モデルたちは、それから現在までにかけて、それほど目立った動きをしていない状況だと感じられます。
例えば、デイトナの116506Aは、4月水準と7月現在水準が『同じ』であります。また、ノーチラス5711/1A-010は、現在ボトム価格が1320万円であるため、2月水準よりも『安い』という状況です。
そういった経緯を踏まえると、今年の春頃までに「1000万円以上」という価格帯に到達したモデルは、いづれも「変化なし」という感覚になってしまうわけですが、実は全てがそうというわけではありません。
実際、このデイトナ116506は、3月から7月現在までにかけて「なかなかな値動き」といった様子を見せています。
116506は3月に1155万円という状況でしたが、現在では約1346万円。この4ヶ月で約191万円の上昇という値動きを見せているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年3月 の安値 |
2021年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 116506 |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥11,550,000 | ¥13,466,000 | 1,916,000 | 116.59% |
興味深いのは、同じプラチナデイトナでも、116506Aは“変化なし”なのに、116506が“値上がり”となっていることです。
これまでの事例では、116506Aのほうが先に値動きし、その後116506が動くといったケースが多かったと思います。
また、116506は116506Aと比べると、値動きが“地味”という感覚もあるため、今回のように116506だけが上昇ということは稀だといえるわけです。
そういった意味では、116506の今回の値動きは、イレギュラーともいえるわけですが、同じようなことはノーチラスにもいえるでしょう。
ノーチラス5711/1Aにおいて、これまでもっとも値動きする傾向だったのは、青文字盤ですが、春頃から現在までにかけて最も動いているといえるのは、白文字盤の5711/1A-011であるのです。
ノーチラスにおいて、「白文字盤のほうが目立って値動き」という現象は、前にもあったことですが、こういった現象が起きたときは、他の人気モデルの値動きが今後どうなるかが気になります。
普段率先して値動きしないようなモデルが「先に高くなる」といった場合、もとから値動きする傾向のモデルが「逆襲」かのように更に高くなるという現象をこれまで何度か見かけました。もちろん、今回もそういったことが起こるかは分かりませんが、冒頭でも触れたように、ここ数ヶ月、多くの1000万円以上のモデルの値動きが変化なしという傾向があるため、嵐の前の静けさといった気配があるようにも感じるのです。