ノーチラスの5711/1Aは、2017年から目立って高くなるという傾向がありましたが、一時は、長期に渡って値動きせず、存在感があまり目立たないという傾向があったといえます。
しかしながら、そんな5711/1Aは今年2021年になると、それまでとはうって変わって「ド派手な値動き」を見せるようになります。
青文字盤は2月時点で1000万円以上となり、白文字盤も5月時点で1000万円以上となっていました。
ただ、青文字盤に関しては、2月から4月といった時期に1400万円台、1500万円台といった様子を見せた後、あまり値動きしない傾向が目立ちます。
そして、現在の様子はどうかというと、5711/1A-010は1300万円台となっており、春頃よりも安い状況となっているのです。
それに対して、白文字盤の5711/1A-011は、青文字盤が目立って上昇しなくなった後も、それなりに値上がりしていた様子です。
4月以降、5711/1Aのボトム価格が安定しない傾向があったのですが、白文字盤は5月に1200万円台となっていました。
ただ、青文字盤の事例を見ると、その1200万円台という水準は一時的なものという可能性もあったわけで、筆者としては、しばらく様子を見守ってようと思っていました。
けれども、白文字盤は青文字盤とは異なり、1200万円台となった後もそれほど大きな変動を見せず、それなりに長い期間1200万円台が続いている状況となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年5月 の安値 |
2021年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5711/1A-011 |
中古 | 0年 3ヶ月 |
¥10,978,000 | ¥12,480,000 | 1,502,000 | 113.68% |
その結果、青文字盤と白文字盤の相場差は、再び「あまり大きく違わない」という状況に戻った様子。2019年以前の段階では、白文字盤は青文字盤よりも明らかに安いという傾向がありましたが、2020年頃からは「白文字盤と青文字盤水準が逆転」といった状況や「差がない」ということが珍しくなくなりました。
ただ、白文字盤が青文字盤よりも高いといった様子になると、その後、青文字盤が派手に動くという様子がこれまで何度か見られました。
そういった意味では、現在の様子も要注意といえるかと思います。
現在、この白文字盤、5711/1A-011のボトム価格は、1248万円ですが、青文字盤のボトム価格は1288万円となっているのです。
これは、5711/1A-001の水準ですが、5711/1A-010をもってしても約1315万円という水準です。
なお、青文字盤の両者(-001と-010)は時期によって相場が逆転するため、白文字盤と青文字盤の差という観点では、今の様子だと5711/1A-001を参考にして良いでしょう。
そうなると、白文字盤と青文字盤の相場差はちょうど40万円。これが100万円以下の腕時計であれば「大きな差」でありますが、1200万円台というノーチラスとなると「僅かな差」といえるような気がします。
また、5711/1A青文字盤は、1300万円前後という様子が数ヶ月続いた結果、白文字盤に差を詰められただけでなく、ロイヤルオークのエクストラシンにも迫られているという状況です。
そのようなことからも、数ヶ月にわたって沈黙状態となっている青文字盤は、今後要注意だと思います。