腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

180万円台になった、GMTマスター2 116710BLNR

2021年8月16日更新
ロレックスのGMTマスター2116710BLNRについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2021年4月の安値と2021年8月の安値を比較し現在相場を考察。この0年4ヶ月での変動は¥96,800だった。

GMTマスター2 116710BLNRについての考察(2021年8月)

2013年に発表されてから、2019年の生産終了まで、「最も人気なロレックスデイトナ以外の存在において)」というポジションに位置したGMTマスター2116710BLNR

デビュー時から、生産終了に至るまで、その新品実勢価格は常に定価以上といっても過言ではなく、中古相場を見ても「抜きん出て高い」という印象がありました。

当初は、90万円台でも割高という印象だったのが、気づけばその中古相場はどんどんと上昇。そして、2019年には、「生産終了」と「2019年上半期の上昇トレンド」が重なり、170万円台という水準に達したのです。

しかし、その後は「2019年夏⇒2020年夏の断続的な下落トレンド」が発生したことにより、この116710BLNRの相場は、2019年5月の約173万円をピークとして、それよりも低い状態が続いていました。

ただ、今年になると、2020年にはなかなか『回復からの上昇』とならなかったモデルが『回復⇒上昇』という様子に変化する事例が増えたこともあり、この116710BLNRも4月の段階で、ようやく「2019年上半期水準を上回る」という様子を見せていました。

その際の水準は、176万円だったのですが、これは2019年5月の約173万円「3万円上回った」という状態でした。

5月の段階で「2019年上半期超え」となったのは、どちらかというと「かなり遅い」部類だといえますが、2019年水準との比較で「3万円の上昇」という差も、他のモデルと比べるとやや寂しいといえます。

実際、かつてはこの116710BLNRよりも安価な傾向だった、サブマリーナの116610LVは、生産終了以降「上昇⇒下落⇒回復」という経緯を挟んだものの、現在水準は約220万円といったところ。

それに対して、この116710BLNRは、今年4月の段階で176万円という状況だったため、かつての勢いを感じられないともいえるかもしれません。

けれどもそんな116710BLNRは、決して値動きしていないわけではありません。

4月に176万円だった116710BLNRは、8月の今、約185万円という状況に変化。これは『4ヶ月で約9万円の上昇』であるため、他のロレックスと比べるとそこまで派手ではありませんが、それなりにインパクトがあるともいえます。

その理由は、180万円台という中古ボトム価格が、筆者がこれまでに見た116710BLNR水準としては「初」だからであります。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2021年4月
の安値
2021年8月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
GMTマスター2
116710BLNR
中古 0年
4ヶ月
¥1,760,000 ¥1,856,800 96,800 105.50%

これまで、デイトナを除くと一番人気という印象だった116710BLNRですが、ここ1年2年ぐらいは「これよりも目立つ存在がそれなりにある」というように変わっているとも感じられます。

そういったことは、5月まで「2019年水準をなかなか超えなかった」ということや、初の180万円台という現在水準をもってしても、2019年5月水準との相場差が12万円程度にとどまるという点からもいえるかと思います。

けれども、そんな116710BLNRは、サブマリーナの116610LVと相場を争うという傾向が以前まであったわけです。

そういったことや、2年ぐらい前までの116710BLNRの様子を考慮すると、180万円台という現在水準は、今の全体的な相場状況からすると相対的に「お得感がある」といえるような気がします。

ただ、それは、今後116710BLNRがどっちの方向になるかによって変わるでしょう。

例えば、かつてのように116710BLNR116610LVとライバル的な水準になるのであれば、緑サブ並かそれ以上の価格帯となっても不思議ではありません。その一方で、「トレンドの変化」という現象が起こったならば、この116710BLNRも、かつて1番人気(デイトナを除く)というポジションだった、エクスプローラー14270のようなことになるかもしれません。

ですから、今後の値動きがどうなるかによって、この116710BLNRに対する印象が変わってくるわけで、今後数ヶ月という期間が116710BLNRにとって重要な期間になるのではないかと筆者は思っています。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。