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現在相場考察

フライバックはしっかり上昇、ルミノールクロノPAM00060

2021年8月17日更新
オフィチーネパネライのPAM00060について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年9月の安値と2021年8月の安値を比較し現在相場を考察。この1年11ヶ月での変動は¥297,780だった。

ルミノールクロノ PAM00060についての考察(2021年8月)

2000年に限定モデルとして登場した、ルミノールクロノのフライバックモデル、PAM00060

この頃のルミノールクロノといえば、エルプリメロベースのムーブメントが搭載された高級モデルという特徴がありましたが、中でもこのフライバックは「超高級」というポジション。

日本でパネライブームが起こったのが2002年でありますが、その頃、「高いパネライ」として憧れられた存在だといえます。

ブランパンなど、ブランドによっては、「フライバック」という機能がそれほど特別視されていないといえる場合もありますが、2000年代前半のパネライではフライバックが「特別な存在」だったわけです。

エルプリメロでフライバック”という機械方面でのポイントの高さはもちろん、他のルミノールクロノとは明らかに異なる印象の文字盤が、とても格好良く見えたわけで、見た目の評価も高い1本だといえます。

2000年代前半において、ルミノールクロノは、実勢価格面からしても、正面からデイトナのライバルという存在感でしたが、この60番は、それよりも更に高いという価格帯に位置していました。

また、2016年頃、ルミノールクロノは一時60万円台という水準となっていましたが、そのように安かった時期でも、この60番に関してはそういった価格帯では購入不可能だったわけです。

ですから、この60番という存在は、2000年から今に至るまで、いつの時期でも「特別」という感覚があるといえるでしょう。

しかし、近頃といえば、この60番のように尖った要素を持っていたとしても、「長らく相場が変わらない」、もしくは「値下がり」というパネライをよく見かけます。

そうであるならば、この60番もお買い得価格になっていても不思議ではないわけですが、やはり、これまでの事例と同様、60番に関しては、そういった現象は起きていません。

では現在、PAM00060はどのような様子となっているのか。その答えは、約2年前と比べて30万円近い上昇ということであるのです。

このPAM00060の2019年9月水準は約200万円でしたが、現在水準は約230万円。他のパネライと比べると、結構な上昇となっている様子です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年9月
の安値
2021年8月
の安値
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ
PAM00060
中古 1年
11ヶ月
¥2,002,320 ¥2,300,100 297,780 114.87%

この60番といった世代のパネライには、尖ったモデルが多いわけですが、それらの多くは限定モデルであります。

そして、そういった限定モデルの多くはラジオミールという傾向でしたから、ルミノール系としては、最も尖った内容の限定モデルがこの60番だといえるかと思います。

ですから、60番には、なにかと「特別感」を感じられるわけですが、そういった特別感を認知をする人が多いため、価格帯も「スペシャル」な水準となっているのでしょう。

近頃、「かつて高かった」というモデルが下落する事例もあるパネライですが、この60番のような「人気要素が強い」モデルはしっかり上昇しているといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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