今年に入ってから、腕時計はさらに高くなったという印象ですが、2021年という年が凄いのは、ここ数年、あまり動いていなかったモデルなども上昇しているという点です。
例えば、ランゲ&ゾーネのランゲ1や、パテックフィリップの年次カレンダー5035などは、2015年頃までの水準がピークだったという傾向がありますが、今年になってからは2015年水準並、もしくはそれ以上という傾向が見られます。
また、2021年は、値上がり難易度が高いと思われるモデルも上昇する傾向。デイトジャスト16233は、これまであまり変動することが無かったわけで、長らく30万円台後半という状況が続いていました。それが、今年になってから値動きするようになり、先日の記事でもお伝えしたように、今では60万円台となっているのです。
そうなると、2021年において「2年3年ぐらい前と比べてあまり変わらない」というモデルを探すのは難しいということになるでしょう。
特に、スポーツロレックスのような人気モデルとなると「変わらないモデル」を探す難易度はグッとあがるわけで、それに該当するモデルなんて、無いだろうと思われるかもしれません。
しかし、実はスポーツロレックスでも、「2018年水準とそこまで大きく変わらない」という存在があるのです。
それは、なんとGMTマスターの1675。しかも青赤ベゼルです。
GMTマスターの青赤ベゼルといえば、まさに「超人気要素」を兼ね備えたモデル。そうであるにも関わらず、2018年水準との相場差が10万円未満であるのです。
実際、この1675青赤の2018年12月水準が約142万円だったのに対し、2021年8月現在は、約149万円という様子。2018年12月⇒2021年8月までにおける、2年8ヶ月間での値動きは7万円ほどであります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年12月 の安値 |
2021年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター 青赤ベゼル 1675 |
中古 | 2年 8ヶ月 |
¥1,426,000 | ¥1,498,000 | 72,000 | 105.05% |
なぜ、このような人気要素を持つモデルが『2018年水準と比べて10万円未満の値動き』という状況なのでしょう。
その答えは、4桁ロレックスに対する注目度が、今の時代あまり高くないからなのだと思います。
4桁ロレックスに対しての判断材料は、他のいわゆる高級腕時計と比べるとかなり多いといえ、そういったことから今の時代注目度がそれほど高くないのでしょう。
その結果、「青赤のGMTマスター」という人気要素を兼ね備えながらも、この1675は、2018年水準と大きく変わらないという事になっているのだと思います。
ただ、筆者としては、4桁への評価は今後変わる可能性があることを意識しているため、現在、2018年水準と大きく変わらない状態である1675は、なかなか検討する価値がある状況だと考えています。