昨年、生産終了が発覚した2015年世代のオイスターパーペチュアルは、生産終了が分かるや否や、軒並み上昇したという経緯がありました。中でも最も目立った上昇という印象だったのが、114300のダークロジウム文字盤です。
このダークロジウム文字盤は、生産終了になる前の段階から、1番人気のオイスターパーペチュアルというポジションで、非スポーツ系モデルとしては、初の“大人気モデル”というポジションになった存在だといえます。
そのため、生産終了発覚時に、他のオイスターパーペチュアルよりも目立って上昇するという現象は、なんら不思議ではなかったわけです。
とはいえ、この114300ダークロジウム文字盤の生産終了発覚時の70万円台という水準には「驚く」という感覚がありました。
なぜなら、このオイスターパーペチュアルが、エントリーといった立ち位置に属するモデルだからです。こういったモデルが70万円台になるということは、その時点まで「想像できない」といったところだったといえます。
ですから、114300が70万円を超えたという2020年9月の様子は、「凄い」という感覚だったのです。
しかし、今となっては、同世代オイスターパーペチュアルの34mmモデルまでもが、70万円台という様子に変化。先日お伝えした、114200のオリーブグリーン文字盤は、8月時点で約72万円という水準に達しています。
ちなみに、114300のダークロジウム文字盤は、数年前の段階から“相対的に高い”というポジション。例えば、112400のオリーブグリーン文字盤は、2018年8月に約42万円だったわけですが、ダークロジウム文字盤は、2018年11月において約51万円という水準だったのです。
そうなると、以前から高い114300のダークロジウム文字盤は、今、どういった様子になっているのか興味深いといえます。
このダークロジウム文字盤が70万円台となったのは、ちょうど1年前、つまり2020年9月のことでありますが、その際約70万円という水準になっていました。
それに対して、1年後の水準はどうかというと、なんと約77万円という状況。「思ったほど変わっていない」と表現できるかと思います。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年9月 の安値 |
2021年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
オイスターパーペチュアル ダークロジウム文字盤 114300 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥708,000 | ¥770,000 | 62,000 | 108.76% |
114200のオリーブグリーン文字盤は、2020年11月⇒2021年8月で約16万円の上昇となっているわけですから、2020年9月⇒2021年9月の1年で6万円ほどの上昇にとどまるダークロジウム文字盤は、やはり「思ったほど変わっていない」という感想になります。
また、このダークロジウム文字盤文字盤は、以前まで114300の中で抜きん出て高いというポジションに位置したわけですが、現在の様子では、他の文字盤よりも安いという状況。この記事の個体は、114300全体でのボトム価格となっているのです。
そういった意味では、現在のダークロジウム文字盤の様子は「変わった」となるわけですが、なぜこのダークロジウム文字盤が相対的に高くないという状況に変化したのでしょうか。
筆者としては、114300、114200など、2015年世代のオイスターパーペチュアルが全体的に評価された結果、ダークロジウム文字盤だけが特に評価されるということがなくなったのではないかと思っています。