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現在相場考察

2年で100万円以上の変動というカラトラバ、5296G-001

2021年9月1日更新
パテックフィリップのカラトラバ5296G-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年9月の安値と2021年9月の安値を比較し現在相場を考察。この2年0ヶ月での変動は¥1,034,000だった。

カラトラバ 5296G-001についての考察(2021年9月)

パテックフィリップカラトラバといえば、「ザ・オーソドックス」という存在でありますが、そうであるがゆえに「大人気モデル」という存在が出づらく、値動きするモデルが少ない傾向がありました。

ただ、そんなカラトラバも、このところは「結構な値動き」というモデルを見かけるようになっており、以前とは違う様子が見られます。

今回お伝えするのは、そんなカラトラバの中でも、「かなり目立った値動き」となっているモデルです。

ちなみに、カラトラバの中でも「トロピカル」のような特殊モデルは、以前から高く「オーソドックス」とはいえませんが、今回お伝えするのは「いわゆる普通のカラトラバ」。それこそが、この5296G-001であります。

普通のカラトラバといっても、文字盤デザインが他のカラトラバとは「ずいぶん違う」わけですが、そうはいっても、「特殊なレアモデル」というポジションではありません。

なお、この5296G-001の文字盤デザインは、最近のデザインではなく、実は1930年代に存在したカラトラバのオマージュ。一見すると、近代の遊び心デザインにも思える見た目でありながら、実はしっかりと歴史があるというのが、パテックフィリップらしいところでしょう。

そんな5296G-001は、2018年頃から、他のカラトラバよりも目立って上昇するという傾向となっており、実際、2018年9月においては、1年1ヶ月で30万円の上昇という様子でした。

当時、カラトラバにおいて「1年で30万円」といった値動きは珍しかったため、5296G-001は、カラトラバとしては「かなり動くほう」という印象だったわけです。

しかし、そんな5296G-001は、今やそれとは比べ物にならないぐらいの状態に変化しています。

ではどうなっているのかというと、現在水準はなんと328万円という様子。2019年9月⇒2021年9月における2年での値動きは約103万円の上昇であります。

ですから、この5296G-001は、100万円以上の値動きとなっているわけですが、「2年で100万円以上の変動」という規模の値動きをしたカラトラバは、これが初めてといえるかと思います。

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年9月
の安値
2021年9月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
5296G-001
中古 2年
0ヶ月
¥2,246,000 ¥3,280,000 1,034,000 146.04%

リーマンショック⇒アベノミクスのような出来事を除くと、「100万円規模の上昇」という値動きは、これまで大人気モデルが主という傾向がありました。

ただ、近頃はいわゆる人気モデルではなくても、そういった値動きをするモデルが増えてきている傾向もありますが、そうはいっても、カラトラバのように「オーソドックス」という要素を持つものは、その限りではない傾向があります。

つまり、「オーソドックス」という要素を持つモデルでは、「100万円単位」といった値動きは、ほぼ無いといっても過言ではないわけです。

それが今回、この5296G-0012年で約103万円の上昇という値動きを果たしたわけですから、「オーソドックスは値動きしづらい」という状況を打破したということになります。

そういった意味では、今回の5296G-001の値動きは、大きな1歩を踏み出したといえるかと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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