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現在相場考察

これまでとは違う動き方、シーマスターGMT2538.20

2021年9月10日更新
オメガのシーマスター2538.20について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年6月の安値と2021年9月の安値を比較し現在相場を考察。この2年3ヶ月での変動は¥34,900だった。

シーマスター GMT 2538.20についての考察(2021年9月)

2021年という年は、ありとあらゆる腕時計が上昇しているといっても過言ではないぐらい、様々なジャンルのモデルが値上がりしているといえます。

これまでも「目立った上昇」といった様子だった時期はありますが、そのような時に「あまり値動きしていなかった」という傾向のモデルはそれなりにあったわけです。けれども、2021年はそういったものも含めて上昇しているのが「すごい」といえます。

今回紹介するのは、オメガシーマスター2538.20。これは、2000年前後といった時期に現行モデルだった、白文字盤のGMTモデルです。

当時、この2538.20は、“最も新しいデザイン文脈を取り入れられたシーマスター”という感覚で、それなりに目にとまる存在でした。

ただ、シーマスターにはラインナップ数が多いため、デビューから20年程度が経過した今となっては、「あまり知られていないモデル」ということになるでしょう。

そして、そういったことと同時に、この2538.20は高級腕時計としては比較的安価な価格帯に位置するため、なにかと値上がり難易度は高いといえます。

そんな2538.20のこれまでの値動きは、「数年に一度、若干動く」といったところ。もちろん、リーマン後⇒アベノミクスのような時期を挟むと「それなりに動く」という傾向だったわけですが、そういったことを除くと、「数年に一度、1万円程度の値動き」といったところだったわけです。

そうはいっても、2019年にこの2538.20は、20万円以上という価格帯に変化。当時の値動きは、「1万円程度の上昇」に過ぎませんでしたが、20万円台となったことは大きいといえました。

そんな2538.20ですが、20万円台となった2019年6月から2年3ヶ月が経過した今、「これまでとは違う」という動き方をしているのです。

ではどうなっているかというと、現在2538.20約24万円という水準にまで上昇しているのです。

こういった動き方は、これまでの2538.20の様子を考慮すると「すごい」といえるかと思います。

本記事で参考とした中古腕時計

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オメガ OMEGA シーマスター300m GMT 2538.20.00 腕時計 メンズ 中古

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年6月
の安値
2021年9月
の安値
変動額 残価率
オメガ
シーマスター
GMT
2538.20
中古 2年
3ヶ月
¥209,300 ¥244,200 34,900 116.67%

この2538.20は、『リーマン後(安い時期)⇒アベノミクス以降(高い時期)』という時代の変化で、5万円程度の上昇という値動きだったのですが、今回は、2019年6月という“高い時期”から2021年9月という、同じく“高い時期”にかけて、3万円程の上昇をしたわけです。

これまでは、『安い時期⇒高い時期の変化が5万円』『高い時期⇒高い時期の変化が1万円程度』といった傾向があったわけですが、今回は『高い時期⇒高い時期で3万円もの上昇』という変化をしているのです。

2538.20は「これまでとは違う」という動き方をしたわけですが、こういったことが起こるのは、やはり2021年らしい値動きだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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