ステンレスのノーチラスといえば、大人気モデルでありますが、中でも人気なのが「ジャンボサイズ」であります。
といっても、近頃のノーチラスは「ジャンボ」が標準的。むしろ、ジャンボに対してそれほどのレア感はありません。
しかしそれは、5711/1A以降の話。2005年頃までのモデルの場合、ジャンボは“珍しい方”というキャラクターになるでしょう。
ノーチラスを世代で分類するならば、初代、3800世代、5711世代というようになるわけですが、3800の時代は、基本的にジャンボがありませんでした。
長らくジャンボ不在だったノーチラスですが、1998年に十数年ぶりにジャンボサイズとして投入されたのが、この3710/1A-001なのです。
生産年は、98年から2004年前後といった時期までと、短め。なおかつ、特殊機構のパワーリザーブインジケーターというレア要素も備える1本であります。
3710/1A-001はこのようなレア要素を備えるノーチラスでありますが、中古相場的には5711/1Aよりも安価といった立ち位置。そのため、「最も安価なジャンボサイズ」という側面も持ち合わせているわけです。
さて、今年2022年といえば、5711/1A-010が2600万円台という水準にまで達しているわけですが、この3710/1A-001は現在どういった状況かというと、1850万円となっている様子です。
前回お伝えした6月時点では、約1000万円でしたから、この9ヶ月での変動は『約842万円の上昇』ということになります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年6月 の安値 |
2022年3月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 3710/1A-001 |
中古 | 0年 9ヶ月 |
¥10,076,000 | ¥18,500,000 | 8,424,000 | 183.60% |
この3710/1A-001、筆者は2002年に約90万円で購入したのですが、それが今や1800万円台。非常に驚いています。
ちなみに、3710/1A-001が300万円程度になったとき、500万円程度となったときでも「凄い」と思いましたが、今の相場を見ると、その時ですら「買い時」だったといえてしまします。
かつて90万円程度で普通に売られていても、誰からも見向きもせず、普通の在庫として販売されていた3710/1A-001。それが、今や9ヶ月での値動きが800万円という規模であるわけです。
ただ、これだけ凄い値動きをした3710/1A-001でありますが、5711/1A-010と比べてしまうと、現在水準は、そこまで凄くはないという側面があるのも面白いところ。
2021年6月時点では、5711/1A-010と3710/1A-001の差は200万円程度だった一方、現在では845万円程。結構な差が開いてしまっている状態であります。
2002年に90万円で購入可能だった3710/1A-001が、2022年には1850万円となっていることに驚きますが、「ジャンボサイズのSSモデル」という観点で、今の相場を前提とするならば、2000万円以下で「SSジャンボ」は安いという見方もできてしまうのです。