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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 ~第101回~ 「Ref.3970EJ-051」『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』18KYG

2022年3月31日更新

今回は、2021年度(2021.04~2022.0321現在)に入荷した【パテックフィリップ】のモデルの中で、私が1、2位を争うおススメモデル「Ref.3970EJ-051」『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』18KYGが入荷しましたので、お話ししていきたいと思います。

ここのところ、急激な相場・価格の上昇・高騰により、『ノーチラス』『アクアノート』がクローズアップされがちですが、今回ご紹介する「Ref.3970EJ-051」が再評価されていると、手に取るように分かるのはとても嬉しく、喜ばしい限りです。

もちろん!私にとって、コミットで販売している時計はどれもオススメではありますが、大好きなモデルということもあり、是非とも最後までお付き合いいただければと思います。

【目次】
◆ 「Ref.3970EJ-051」 『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』18KYG
◆ まとめ

「Ref.3970EJ-051」
『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』18KYG


※Ref.3970EJ-051

私が「Ref.3970」と初めて出会ったのは約18年前。当時はまだ今よりも出回りが多かったのか、それとも私自身が幸運なのか、全ての素材(PT、WG、RG、YG)で、様々な仕様のモデルを見てくることができました。


※Ref.5004P

また、上位モデルにあたるパーペチュアルカレンダー・クロノスプリット搭載「Ref.5004」を初めて見た時は、後光が差しているかの如く感動をしたのを、つい昨日のことのように思い出すのですが、私の中では「Ref.3970」と甲乙つけがたく、どちらもついつい説明に熱が入って
しまいます。


※「Ref.3970」1stモデル

話を戻しまして、「Ref.3970」は『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』搭載モデルの二代目にあたる「Ref.2499」の後継モデルとして1986年に登場しました。生産本数は100本と言われており、一番の特徴として挙げられるのはケースバック(裏ブタ)がクローズドのスナップバック(はめ込み式)であったことです。※非常にややこしいのですが、同時期に発表された「Ref.3971」のケースバック(裏ブタ)は、サファイアのスケルトンバックが採用されていました。


※「Ref.3970」1stモデル

インダイヤルの色味が若干黄色がかっており、リーフ型の針、バーインデックスを採用し、クラシカルな雰囲気が堪らない「Ref.3970」1stモデルは、今となっては海外オークション以外で見かける事はほぼありません。

その後登場するのが今回ご紹介する「Ref.3970」第二世代です。

製造は1986年~1991年頃までと言われ、リーフ型の針、バーインデックスを採用している点は第一世代とあまり変わらないのですが、インダイヤルはダイヤルと同色になりました。

ちなみに、初代『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』「Ref.1518」にも採用されており、クラシカルな雰囲気を醸し出す重要な要素である”リーフ型の針”は、「Ref.3970」でも、第一世代と第二世代にしか見られず、生産期間も僅か5年と非常に希少であります。

ケースサイズは、「Ref.2499」が37.5mmに対して、「Ref.3970」は36mm。やや小ぶりに感じる方もいらっしゃると思いますが、その佇まいや存在感から、決して小さい感じはしません。最近のモデルは40mm前後がスタンダードとされていますが、むしろ時計としてのまとまりがあるこのクラシカルなサイズ感は、好きなファンも多いと思います。

生産時期によって異なるのですが、ラグサイドに刻印されているホールマークは個人的に好みです。ちなみに、ラグ裏に刻印されているモデルも多々見ております。

ここで一つ小ネタになる情報ですが、第二世代にあたる「Ref. 3970」は、スクリュー(ねじ込み式)のクローズドバックがほとんどとされているのですが、生産期間(1986年~1991年頃)の、極めて後半にスケルトンバックも併せ持ったモデルが存在しており、今回ご紹介している個体がまさしくそれにあたるのです。保証書の販売日付けは、1992年3月となっておりますが、保証書の下部にプリントされているアルファベットの4文字を読み解くと、1991年10月製造であることが分かり、整合性がとれるのもマニア心をくずくりますね。

サファイアクリスタルバックから眺めることができる、レマニア社製のムーブメントがベースの、名機として名高い「Cal.CH 27-70 Q」は、美しいの一言に尽きます。

2022年3月にメーカーにてオーバーホール、外装仕上げ、革ベルトまで新品に交換しており、その費用はなんと45万円、、、このクラスのモデルをお持ちになられる方は、メンテナンス費用は気にされないかもしれませんが、時計が1本買えてしまう程、、、(笑)

付属品は保証書はもちろんのこと、当時のパスケースや冊子類、シリアルタグ、クローズドの裏ブタ、調整ピン、内部に傷みはありますが、裏ブタ・調整ピンがセットできる「Ref.3970」専用の箱も付属しており、コレクターズアイテムとしてもバッチリです。

気になる販売価格は、15,950,000円(税込)

国内で販売されている「Ref.3970」はほぼなく、第二世代で状態も良く、付属品もしっかりと揃った個体は海外を見てもなかなかないと思います。

、、、すみません。気合を入れて書きましたが、こちらは既にご注文が入ってしまいました。やはり良い個体は動きが早いですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回、掲載時から多数のインタレストをいただき、残念ながら(嬉しいのですが)販売が決定してしまいました。まだまだ『ノーチラス』『アクアノート』がクローズアップされていますが、「Ref.3970」のような名作に評価が入り、私としては嬉しい限りです。

気を抜いてはいけませんが、いよいよ蔓延防止も終わり、コミットへご来店いただけるお客様もさらに増えるのでは!とワクワクしております。

今後ともこのような素晴らしい時計をご紹介出来るよう、日々精進してまいりますので、ご来店、もしくはお問い合わせいただき、私と【パテックフィリップ】談義に花を咲かしていただければと思います。

では、また!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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