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現在相場考察

ようやく2011年水準超え、パシャ38mmクロノグラフW31030H3

2022年4月1日更新
カルティエのパシャ38mmW31030H3について斉藤由貴生が執筆。本記事では2021年5月の安値と2022年4月の安値を比較し現在相場を考察。この0年11ヶ月での変動は¥44,000だった。

パシャ38mm クロノグラフ W31030H3についての考察(2022年4月)

2021年9月頃から、上昇傾向となっているパシャCに対して、あまり目立った動きがなかったパシャ38mm

このパシャ38mmというのは、パシャCに対する上級モデル。2000年前後という時期に“現行モデル”だった両者ですが、当時の新品実勢価格はパシャC20万円台後半だった一方、パシャ38mmとなると45万円以上だったわけです。

その頃における45万円という腕時計の金額は、「どういったもの」だったかというと、定価を上回る新品実勢価格状態だったエクスプローラー14270水準と同等といったところ。エクスプローラーは、デイトナの次に高く、今でいう『緑サブ』のような感覚でした。

そして、パシャ38mmは、クロノグラフとなると更に高値。新品実勢価格は50万円台だったわけです。

そのような価格帯だったパシャ38mmクロノグラフW31030H3は、リーマンショック後の2011年2月という時期においても、中古相場が約36万円という状態だったわけです。

ちなみに、2011年の36万円という水準は「高い時計」という感覚。その後、2013年からはアベノミクスが開始されるわけですが、その事によって多くの腕時計は上昇。2011年に36万円程度だったロレックス60万円台といった水準に上昇していきました。

その一方で、このW31030H3は、アベノミクス後に上昇することがなく、むしろ値下がりといった傾向に転じます。

そして、そういった傾向は長らく続き、昨年5月に『ここ5年で最も高い』といった状態になった時でも、2011年水準よりも安価という状態だったわけです。

そんなW31030H3ですが、2022年3月の今、ようやく2011年水準を超えるという状態に変化しているのです。

現在水準は、約37万円となっているのですが、これは2011年2月水準を1万円超えたといった状況であります。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2021年5月
の安値
2022年4月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
パシャ38mm
クロノグラフ
W31030H3
中古 0年
11ヶ月
¥327,800 ¥371,800 44,000 113.42%

2011年2月以降の主だったW31030H3の値動きは以下の通り。

  • 2011年2月の安値 ¥368,000
  • 2016年1月の安値 ¥354,240
  • 2016年4月の安値 ¥322,920
  • 2016年7月の安値 ¥294,800
  • 2017年7月の安値 ¥288,000
  • 2017年12月の安値 ¥248,400
  • 2019年4月の安値 ¥300,240
  • 2020年4月の安値 ¥264,000
  • 2021年5月の安値 ¥327,800
  • 2022年3月の安値 ¥371,800
  • 現在水準は、ここ5年ぐらいの状況を見ると、結構な変化だといえます。

    他のモデルと違って、最も安かったのが2017年、逆に高かったのが2011年というW31030H3ですが、現在水準は、10年ぶりの30万円代後半といった状況だといえます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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