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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 ~第104回~ 「Ref.5970P-001」『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PLATINUM

2022年4月23日更新

みなさん、こんばんは。

パテックフィリップ】の時計はモデルごとにさまざまな機能や魅力的なケースデザインを持ち合わせているのですが、私がここのところ特に着目し、みなさまに推していきたいのがレマニア製のエボーシュ(ベースムーブメント)を搭載するモデルです。既に今年に入ってから、青文字盤がキレイなPlatinum(プラチナ)ケースのクロノグラフ「Ref.5070P-001」、三代目『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』の第二世代にあたる18KYG(イエローゴールド)ケースの「Ref.3970EJ-051」が、いずれも早期販売にいたっております。

今回はそんなレマニア社製のエボーシュ(ベースムーブメント)を搭載する「Ref.5970P-001」『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PLATINUMが入荷して参りましたので、ご紹介させていただきたいと思います。是非、最後までお楽しみください。

【目次】
◆ 「Ref.5970P-001」 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PLATINUM
◆ まとめ

「Ref.5970P-001
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PLATINUM

史上初めて、パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)機構とクロノグラフ(ストップウォッチ)機構を腕時計に搭載した、初代『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』「Ref.1518」が誕生したのが1941年。そこから二代目「Ref.2499」、三代目「Ref.3970」と続き、満を持して2004年に登場したのが、4代目にあたる「Ref.5970」です。2004年発表時は18KWG(ホワイトゴールド)ケース、18KRG(ローズゴールド)ケースの展開でした。

2008年18KYG(イエローゴールド)ケース、そして2009年には今回ご紹介する、待望のPLATINUM(プラチナ)ケース×黒文字盤「Ref.5970P-001」が登場します。

「Ref.5970」は発表から僅か5年足らずで生産終了となり、仕様問わず、生産も市場流通個体も少ないのですが、今回ご紹介するPLATINUM(プラチナ)ケースに関しては、僅か1年ほどしか生産されてなく、圧倒的に数が少ないです。

全ての仕様の「Ref.5970」に言えますが、文字盤上のカレンダー、インダイヤル、ムーンフェイズの配置位置、文字盤外周に書かれたタキメータースケールのバランスは完璧だと思います。PLATINUM(プラチナ)ケース以外の素材(WG、RG、YG)は、色味こそ違いますが、シルバー文字盤を採用し、カレンダー表示、インダイヤル、タキメータースケール、クロノ針が黒色であるのに対し、PLATINUM(プラチナ)ケースは、唯一の黒文字盤仕様のため、その全てが白色で描かれております。

また、6時位置に配されたムーンフェイズの外周にある日付表示は、数字が他素材と比べると明らかに大きく、くっきりとしており視認性に長けております。これは、最終で発表されたモデルのため、差別化しブラッシュアップが図られたのでしょう。

ご参考までにですが、PLATINUM(プラチナ)ケースにバゲットカットのダイヤモンドベゼルを配したモデル「Ref.5971P-001」がございますが、こちらの日付表示の数字は、これまでの「Ref.5970」モデル同様のサイズ感になっております。

パテックフィリップ】の『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』搭載モデルに共通しているクラシカルなイメージは、ケース、文字盤デザイン、角形のクロノグラフボタンなど、歴代モデルの良いとこどりをしたことで、例外なく「Ref.5970」も受け継いでおりますが、更に40mmのケースサイズを採用したことで、今までで一番モダンな仕上がりとなりました。とりわけPLATINUM(プラチナ)ケースは、生産終了から10年経った今も、あらゆるブランドの現行モデルと比較しても、全く引けを取らない”カッコよさ”を持ち合わせていると思います。

6時側のケースサイドには、PLATINUM(プラチナ)仕様であることの証明でもある、ダイヤモンドがセッティングされており、これは所有者のみが優越感に浸れるポイントですね。

スケルトンバックから眺めることができるムーブメントは、レマニア製のクロノグラフムーブメント「Cal.2310」がエボーシュとなっている、名機として名高い「Cal. CH 27-70 Q」。※”エボーシュ”とは?・・・ムーブメントメーカーが基本となるベースのみを提供している物
ベース(エボーシュ)はレマニア製ながらも、【パテックフィリップ】による技術で作り上げられた完成度の高いムーブメントは、何度見ても飽きずに見惚れてしまいます。

使用による小傷は全体的にございますが、ノンポリッシュのワンオーナー品。

保証書、冊子類、クローズドバック(裏ブタ)、調整ピンなどの付属品もしっかりと揃っているおススメの個体です。

気になる販売価格は、39,930,000円(税込)

国内販売個体も無く、海外有名サイトでも数本しか扱われておりません。更には、税込販売価格が4000万円以下となると、今後を含めてオススメできる1本です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

コミットを始めて6年と4ヶ月になりますが、「Ref.5970P-001」の取り扱いは、この時計を含めて僅か3本しかございません。今後、ベースムーブメントがレマニア製のモデルは、販売価格も上昇し、特に「Ref.5970」は見つけづらくなるかと思います。是非とも、そんな夢のある時計をどなたか手に入れてください!!

では、また!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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